【前園真聖 ゾノの焦点】欧州で今シーズンを終えた日本人選手を元日本代表MF前園真聖氏(41=本紙評論家)がA~Cの3段階で緊急査定。後編では日本代表のダブルエースに言及した。

 ACミラン(イタリア)のFW本田圭佑(28)はB評価。開幕から7戦6発も、その後は先発を外れることが多く活躍できませんでした。組織力を向上させるために献身的なプレーに取り組みましたが、自身のパフォーマンスも低調だったため最後まで周囲とかみ合わないままでした。本来10番を背負う選手は常に試合に出て勝利に貢献しなければなりませんが、現状では難しいです。もともと試合に出て体調面や連係を高めるタイプ。今季の経験が無駄にならないことを願っています。

 ドルトムント(ドイツ)のMF香川真司(26)もB評価。3季ぶりに出戻りましたが、全盛期のパフォーマンスは発揮できませんでした。指導を受けたユルゲン・クロップ監督(47)がいる中で結果を出せなかったことは残念。徐々にコンディションを取り戻していますが、まだ周囲を納得させるものはありません。

 注目のEフランクフルト(ドイツ)のFW乾貴士(27)は持ち味のドリブルが消極的でした。バーゼル(スイス)のFW柿谷曜一朗(25)やケルンFW大迫勇也(25)、ヘルタFW原口、ザルツブルク(オーストリア)のFW南野拓実(20)も、あまり試合に出ていないのでC評価。厳しい環境の海外で先発を勝ち取るのは簡単ではありませんが、試合に出られなければ代表入りも難しいです。

 一方、DF長友佑都(28=インテル)は負傷で離脱期間も多く、評価なし。それでも、メンタルの強い選手なのでどんな監督の下でも力を発揮できるはずです。DF内田篤人(27=シャルケ)も評価なしですが、昨季も長期離脱してますし、ケガも含めて選手の実力。この状態が続くなら日本復帰を検討するべきです。