武藤にマインツ移籍決断させた「誠意」

2015年06月02日 10時00分

マインツでも背番号14が濃厚な武藤

 日本代表FW武藤嘉紀(22=FC東京)が、ドイツ1部リーグ・マインツへの移籍を決断した。チームメートになるFW岡崎慎司(29=マインツ)と、尊敬するFW本田圭佑(28=ACミラン)からのアドバイスが決め手になったというが、新天地のマインツも武藤への“誠意”として背番号14を用意していることが判明。武藤の思い入れの強い「14」は、もちろん期待の表れだ。

 

 FC東京は30日の柏戦後、武藤のマインツへの完全移籍を発表。エースは「ファンやサポーターに恩返しがしたいし、全身全霊で頑張る」と決意を新たにした。

 

 名門のチェルシー(イングランド)など複数クラブによる争奪戦に発展し、武藤は「悩みましたね」と熟考を重ねた。最終決断を後押ししたのは同僚になる岡崎だ。「忙しい中で、メールなどで相談にも乗ってくれたし、岡崎選手の助言も決め手になった」(武藤)というが、もう一人、あの男の言葉も大きな影響を与えた。

 

「圭佑にも相談があって、その時には自分がたどった経験を踏まえてアドバイスしたみたい。圭佑自身が“叩き上げ”でステップアップしたから、いきなりビッグクラブに行くよりも、試合に出られて結果を残すことを重要視すべきというポイントだろうね」と、本田と親しい関係者が明かす。

 

 本田はオランダのVVV時代に2部リーグも経験しながら、着実に実績を積み重ねて名門のACミランの10番まで上り詰めた。そんな尊敬する先輩からの助言が参考にならないはずがない。

 

 先輩2人の後押しを受けた日本期待のストライカーが、いよいよ海外に挑戦。マインツも“三顧の礼”で迎え入れる準備を整えている。武藤が「本当に自分を必要としてくれているし、“誠意”も見せてくれた」というのは背番号だ。マインツとパイプを持つJクラブ関係者は「マインツは武藤の14番へのこだわりも把握しているし、希望を最大限聞く方針のようだから、そうなるんじゃないか」。

 

 FC東京幹部によれば、武藤が背負う14番には、昨季まで所属したFW渡辺千真(28=神戸)が横浜M時代の2009年に記録したJリーグ新人最多13ゴールの更新を期待し「超えてほしい」との思いが込められている。武藤も「大学時代も14を付けたことがあって縁は感じるし、好きな数字」と愛着を持つ。

 

 現在のマインツの14番はDFユリアン・バウムガルトリンガー(27)だが、打診があれば武藤に譲る意向だという。背番号14を託される意味は本人も十分に理解しており「最初からゴールを取っていきたい」と意気込むだけに、ドイツ1年目の目標は“14ゴール”になる。

 

 第1ステージが終了した7月にもドイツに入り、メディカルチェックを受ける予定。大きな期待をかけられる武藤に注目が集まる。