なでしこジャパンの「最終兵器」は復活できるのか。ニュージーランドとの国際親善試合で1―0の勝利を収めたなでしこジャパンは一夜明けた25日、香川・丸亀競技場でニュージーランドのサブ組と非公開の練習試合を実施。スコアなど詳細は明かされなかったが、登録23人の中で唯一、FW岩渕真奈(22=バイエルン・ミュンヘン)だけが出場を見送られた。


 岩渕は丸亀合宿5日目となった22日の紅白戦で右ヒザを負傷。2月下旬にも同じ箇所を痛めていたこともあり、その後は別メニュー調整を続け、ヒザのアイシングが欠かせない状態だ。岩渕は「1か月はかからないと思うけど、これ以上はどうすることもできない」と複雑な胸中を明かした。


 佐々木則夫監督(57)は、今回の岩渕には前回大会のMF川澄奈穂美(29=INAC神戸)のような“下克上”を起こしてくれることを期待。ただ、このまま戦力とならなければ、カナダ女子W杯の選手登録変更期限の6月7日までに入れ替えも視野に入れている。


 それでも、岩渕にはあきらめられない理由がある。「宿舎では宮間(あや)さんや澤(穂希)さん、安藤(梢)さんといった(世代が)上の人たちが毎日(状態を)確認に来てくれる。『絶対に大丈夫だから』って」とベテランからの励ましに応えたいという思いだ。


 優勝した4年前のドイツW杯時は上の世代に対して壁を感じ、自分の居場所をなかなか見つけられなかった。だが、3年前のロンドン五輪銀メダルも経験し、ドイツにも移籍したことで肝も据わった。何より「みんなが私を(戦力として)必要としてくれているのがわかる」ことが岩渕のヤル気を大きくさせた。


 仲間から信頼を寄せられ、闘争心も身につけた「リトル・マナ」はカナダのピッチで大暴れできるのか。