日本サッカー協会の田嶋幸三会長が、北京五輪のスピードスケート女子で金を含む4個のメダルを獲得した高木美帆(27=日体大職)とのエピソードを披露した。

 高木は幼少期からスポーツ万能で、中学時代はサッカー部に所属し、FWとして協会のナショナルトレーニングセンター女子U―15にも選抜された有望株だったことで知られている。

 28日に取材に応じた田嶋会長は「高木さんは15歳まで北海道のトレセンでね。リフティングとかうまい、今でも。彼女が金メダルを取ってくれたことすごくうれしかった」と北京五輪での快挙を祝福。その上で「高木さんみたいな方がサッカーを(ずっと)やってくれていたらよかったけど…金メダルを取るくらいだからよかった。15歳の時に日本代表のユニホームを差し上げた。なんとかサッカーにとどまってくれないかとは思ったんだけど…こんなに素晴らしい活躍をしてくれて、スケートに行ってよかったのではないか」と高木がサッカー選手の道を歩まなかったことに未練も垣間見せた。

 そうした点を踏まえて「サッカーというスポーツは、小さいころにやるには一番ふさわしいと思っている。前にも後ろにも横にも、尻もちをしてもジャンプしても、いろんな動きが入る。特定の部位に特定の負荷がかかるわけではない。子どものころにサッカーをやり、将来バスケットやラグビー、テニスと欧州もみんなそう育っていく」と分析。幼少期にサッカーをプレーすることや、複数のスポーツを行うことの重要性を強調した。

 高木がなでしこジャパンのスーパーエースになっていたら、懸案の決定力不足に悩むこともなかったかもしれない。