【スペイン・マドリード13日(日本時間14日)発】サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)準決勝第2戦が行われ、昨季王者のレアル・マドリード(スペイン)はホームでユベントス(イタリア)と1―1で引き分け、2戦合計2―3となって連覇はならなかった。

 夏を思わせる30度超えの気温とともにサポーターが作り上げたサンチャゴ・ベルナベウの熱気は、試合終了の笛が鳴った瞬間、急激に冷めていった。決勝の地・ベルリンへの道が閉ざされ、FWクリスチアーノ・ロナウド(30)も天を仰いだ。

 第1戦を1―2で落としているだけに、C・ロナウドは逆転に向けて立ち上がりから攻勢に出た。前半11分にゴール前で得たFKは決まらなかったが、同23分にはMFハメス・ロドリゲスがエリア内で倒されて得たPKを落ち着いて決めた。だがその後が続かなかった。

 後半に入ると攻撃陣の迫力が消え、12分に同点弾を浴びた。その後もFWベイルや途中出場のFWエルナンデスとともにゴールに迫ったが不発。チーム22本のシュートはPK以外すべて空砲に終わった。昨季決勝でアトレチコ・マドリードを下してデシマ(10回目の優勝)を決めてから1年、チームに待っていたのは悲劇だった。

 ジンクスも破れなかった。レアルは準決勝第1戦で敗れたケースが7回あったが、12―13年シーズンのドルトムント(ドイツ)戦を含めて一度も第2戦で逆転したことがない。C・ロナウドでさえ負の歴史を覆すことはできなかった。

 9日の国内リーグ・バレンシア戦で主審に暴言を吐き、最終節まで残り2試合のベンチ入り停止処分を受けたカルロ・アンチェロッティ監督(55)にとってはこの敗戦が今季最後の試合となってしまった。「昨季は最後の1分で優勝を手にしてラッキーだといわれた。だが今季は運に恵まれなかった」とうつむいた。今季10点目、CL通算77得点としたC・ロナウドはどちらの数字もバルセロナFWリオネル・メッシ(27)に並んだが、ライバルはベルリンに向かう。連覇の夢が消えたクラブとともに、背番号7の今季の挑戦は静かに幕を下ろした。