“沢の後継者”猶本を変えた1冊の本

2012年09月18日 12時00分

 女子サッカーは、ロンドン五輪でなでしこジャパンが銀メダル、U-20女子W杯ではヤングなでしこが銅メダルを獲得。15日から再開するなでしこリーグ戦に関心が高まるなか、ヤングなでしこの活躍で知名度を上げたMF猶本光(18=浦和)も注目の一人だ。その美少女MFには意外な秘密が…。ザックジャパンのあの重鎮MFが“陰の師匠”だという。どういうことか。

 

 U-20女子W杯では2得点を挙げ、銅メダル獲得に貢献。猶本は「まずはクラブで試合に出れるようにならないといけない」となでしこリーグでの活躍を誓っている。

 

 MF沢穂希(34=INAC神戸)の「後継者」と言われる逸材は今後のなでしこ入りが期待されるが、意外なところからも「間違いなく将来は、日本の女子サッカーを背負っていく選手になる。本当に応援している」との声が上がった。

 

 声の主は日本代表MF中村憲剛(31=川崎)。ザックジャパンを支えるベテランMFだが、なぜ何の接点もなさそうな猶本にエールを送るのか? 実は、猶本には大切にしている1冊の本がある。それが2009年に中村が著した「中村憲剛スルーパスの極意」(講談社)なのだ。

 

 猶本は昨季まで福岡J・アンクラスでプレー。その時、本格的に読んだ初めてのサッカー指導書がこれだった。実際に好きな選手を聞かれると、日本人では中村の名を挙げる。「体も大きくないのにすごいプレーができる。私も小さいから、中村選手を見習おうと思った」と手本にしてきたという。

 

 この話を聞いたベテランMFは感激。「本当にうれしいね。あの本は、自分みたく体が大きくない選手がいかにいいパスを出し、ポジションを取るかを念頭に置いて書いたから。まさか女の子が、しかも日本代表に入ろうかという選手が読んでくれて…。本を書いたかいがあったよ」

 

 中村は小学生のころ、府ロクスポーツ少年団(東京)で、MF沢と一緒にプレーしたことで知られる。それだけに女子サッカーにも関心があり、猶本のプレーもチェック済み。「スルーパスの出し方やボールのもらい方、さばき方も似ている。本を読んでくれたと聞き、納得した。あとは経験を積んで厳しさを身につければ、世界で戦える」と笑顔で、今後の活躍に太鼓判を押した。

 

 中村の反応を聞いた猶本も「そんなこと言ってくれたんですか。うれしいです。頑張ります」と満面の笑み。代表入りを目指す猶本にとって、“陰の師匠”の言葉は心強いものとなりそうだ。