背番号10を背負うMF香川真司(26=ドルトムント)が“本職”返り咲きで復活だ。

 日本代表は27日のチュニジア戦に向け約2時間の戦術練習を実施し、ハリルホジッチ監督が細かく指示を出しながら選手それぞれの位置や動き出しを繰り返し確認。フォーメーション練習では香川が4―2―3―1のトップ下に入る機会もあり、周囲との連係を入念にチェックした。

 トップ下は、香川が最も得意とするポジションでこだわりも人一倍ある。だがアルベルト・ザッケローニ元監督(61)のもとでは、何度も直訴しながら結局は左MFに固定され、ハビエル・アギーレ前監督(56)には不慣れなインサイドハーフで起用されて守備や攻守の切り替えがうまくいかずにもがき苦しんだ。

 紆余曲折を経て“ハリルジャパン”ではトップ下起用のチャンスを与えられた。香川は「自分にとって慣れ親しんでいるポジション。そこでやれたらうれしい」と意欲を語った。左サイドでコンビを組んだFW宇佐美貴史(22=G大阪)も香川について「真ん中で(連係を)作れればスムーズにいく。真司君に任せれば大丈夫だと思う」と全幅の信頼を口にした。

 クラブでも復調を見せつつある香川は「このチームで長くやっているので求められることも大きい。チームが勝てるように努力したい」と堂々とした口ぶり。ハリルホジッチ監督からの熱い期待に、失いかけていた自信も取り戻しつつある。