【武田修宏の直言!!】ついにハリルホジッチ監督就任後、初の日本代表合宿が始まったね。通常より多い31人のメンバー、さらにバックアップメンバーも同時に発表し、協会内に監督室の設置も要求するなど独自色を出そうというのが感じられる。ブラジルW杯に続き、アジア杯でも惨敗した日本代表をどう立て直すのか注目が集まるところだ。

 新監督が就任すると期待感が高まるのは当然。W杯で実績を残した指導者なら、その傾向は強くなる。でも、新監督の言動すべてをありがたがるのはどうなんだろう? いくら素晴らしい監督でも、言っていることがすべて正しいとは限らないし、その国に100%合った指導法、戦術なのかはわからないよ。

 日本サッカー界が最近、自信を失っているからかもしれないが、新しく来た監督を必要以上にリスペクトしがちだ。日本サッカーだって今まで積み上げてきたものがある。それをすべて否定するかのように新監督にすべてを託すというのは、プライドがないのかと思いたくもなる。

 ハリルホジッチ監督の実績は素晴らしいものがある。ブラジルW杯でアルジェリア代表を率いて見せた戦いぶりは称賛されて当然だ。だが、それをすべて日本代表に当てはめて成功する保証はどこにもない。もしかしたら、日本の良さを熟知している日本人監督のほうが、いい結果を出せるかもしれない。

 初戦となるチュニジア戦でどんなサッカーをやるのか。世代交代というテーマも含めて、新監督の方針や手腕をフラットな目線で見極めていくことが日本サッカー界にとって大事なことだろう。(元日本代表FW)

 ☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。

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