日本代表のバヒド・ハリルホジッチ新監督(62)の意外な一面も明らかになってきた。3月27日のチュニジア戦(大分)に向けてメンバー選定作業を進める一方で、指摘されている「厳格」「頑固」のイメージとは対照的に、実は“気配りの人”でもあるという。

 日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長(48)は19日に代表メンバー発表を行うことを明かし「(監督の独自色が)出るんじゃないですか。そうじゃないと違う監督を連れてきた意味はないんでね」と“ハリルカラー”が前面に出ることをにおわせた。

 すでに先週末に行われたJリーグについては、全試合映像でのチェックを完了。就任会見では若手の抜てきも示唆しており、霜田委員長も「見てのお楽しみ」とサプライズ選出の可能性も否定しなかった。

 どのようなメンバーになるのか興味深いが、ここへきてハリルホジッチ監督ならではといえるチームの作り方も明らかになってきた。

「これまで指揮したチームでは選手やコーチなどのほかに、接する機会があまりない裏方に対しても細かな気配りを見せていた。普段は厳しい半面、そうした“フォロー”がうまいことから求心力が高かったようだ」(東欧事情に詳しい関係者)

 就任会見で見せた、力強い口調で持論をとうとうと述べる姿は、一部で語られている「独裁者」のような印象も与えた。だが、厳しさの裏に優しさも併せ持つ。クラブスタッフや職員のためにサプライズで食事会を開き、祝い事の際にはプレゼントを贈るなど、きめ細かな心配りも欠かさない。これはプロ野球界屈指の名将の星野仙一・楽天シニアアドバイザー(68)と同様の手法で、カリスマ指揮官という点でも通じるところだ。

 この日行われたミーティングでも、さっそくハリル流気配りを実践。「いろんなセクションの人といろんな話をした。事務方、メディカル、アドミニ(管理部門)、全部」と霜田委員長が話すように、現場レベルの垣根を越えて多くの関係者と意見交換し、人となりを把握しようと努めていたのだ。

 日本人顔負けのおもてなし精神も持った“ツンデレ指揮官”。新生サムライブルーを一枚岩にまとめ上げ、ロシアW杯の躍進を目指す。