日本代表監督の就任が決まったバヒド・ハリルホジッチ氏(62)の成功に“師匠”が太鼓判を押した。今季からJ1横浜Mの監督に就任したエリク・モンバエルツ氏(59=フランス)は12日、かつての愛弟子に“アドバイス”を送り、全面バックアップを約束した。

 モンバエルツ監督はパリ・サンジェルマン(PSG)でのコーチ時代(1986~89年)、当時現役ストライカーだった3歳年上のハリルホジッチ氏を指導した過去がある。その後も親交を深めていただけに、12日の理事会で正式に決まった日本代表監督就任を大歓迎した。

「PSGで指導したことがあるが、フォワードとして非常に素晴らしい能力を持っていた。監督としても経験豊富でクラブでも代表監督でも素晴らしい実績を持っている。クオリティーが高く効率的なプレーをチーム(日本代表)に伝えていってくれると思う。私は彼の成功しか考えられない」

 かつての“教え子”は指導者に転身後も、リール監督時代(98~2002年)にフランス最優秀監督賞を受賞しており、信頼は絶大だという。「彼が日本に来ることを決めたのであれば、その前にさまざまなことを調べて多くの情報を持っているはず。日本にはいい選手が多くいるので、自分の経験、能力を日本に伝えてくれると思う」と大きな期待を寄せた。

 ハリルホジッチ氏は自らを「完璧主義者」と呼んでいる。それだけに「アドバイスの必要はない」と話した上で「自分(ハリルホジッチ氏)のやり方を貫いて成功してほしい。それに自分(モンバエルツ監督)にも言えることだが、自分の要求を選手に伝える際、日本の文化に適応させる必要がある。これが彼にとって必要なことだと思う」と貴重な“助言”を送った。

 同じ時期に日本で監督業をやるとは夢にも思わなかったであろう2人の指揮官。

 モンバエルツ監督は「彼とは長いこと会っていないが、日本で会うことになるだろう」と再会を心待ちにした。