ゴールラッシュは反面教師のおかげ? U―22日本代表は11日、国際親善試合(フクアリ)でU―22ミャンマー代表に9―0と大勝。リオ五輪アジア1次予選を兼ねるU―23アジア選手権予選(27日開幕、マレーシア)に向け弾みをつけた。

 手倉森ジャパンの両エースが大爆発した。FW鈴木武蔵(21=新潟)は前半8分の先制弾を皮切りに25分にはヘッド、41分に右足、さらに後半6分は左足と変幻自在の決定力を披露。MF中島翔哉(20=FC東京)も持ち味の突破力で前半13分、42分、47分、後半15分と得点を重ね、怒とうのゴールショーを見せた。

 最高の形で壮行試合を飾った手倉森誠監督(47)は笑顔で「柔軟性を求めているチームとしては、もうちょっと違う選手が取れるようにしたい。それが(五輪)1次予選への課題」とぜいたくな悩みも口にした。課題の決定力不足はひとまず解消したが、鈴木は「練習でずっとやっている」というアーリークロスをその要因に挙げた。

 ボールを奪ったら相手DFが陣形を整える前に、ゴール前にボールを上げて一気に得点を奪う。DF岩波拓也(20=神戸)は「A代表はそのへんが少なかったので手倉森監督がやっていこうと。もっとレベルが上がったところで重要になるし、チームで意識を共有している」と説明。ゴール欠乏症で苦しむA代表を“参考”に決定力不足の改善を目指していたのだ。

 この日はアーリークロスからの得点こそなかったが、得点力アップへ日々の練習に取り組んできた。その高い意識が9得点につながったと言える。予選を前に決定力不足の汚名を返上した手倉森ジャパンがリオへと突き進む。