【欧州CL決勝T1回戦第2戦:10日(日本時間11日)】レアルマドリード3―4シャルケ(※2戦合計5―4でレアル・マドリードが準々決勝進出)

 サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦第2戦の2試合が10日(日本時間11日)に行われ、昨季優勝のレアル・マドリード(スペイン)はシャルケ(ドイツ)に3―4で敗れたものの、2戦合計5―4で辛くも準々決勝進出を果たした。エースFWクリスチアーノ・ロナウド(30)が2得点を挙げ、欧州サッカー連盟(UEFA)主催クラブ大会の総得点の新記録を樹立。どん底のチームを何とか救った。

 史上初のCL連覇に向けてまた一歩階段を上ったにもかかわらず、スタジアムはブーイングに包まれた。ホームでまさかの4失点。バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)と並ぶCL記録の10連勝中だったが、新記録は逃した。CLのホーム戦連勝記録も21でストップ。2―0で勝った第1戦の“貯金”で何とか5季連続の準々決勝進出を果たしたとあって、選手たちの顔色も冴えなかった。

 最悪のチーム状態で迎えた一戦だった。7日のビルバオ戦に0―1で敗れ、国内リーグの首位をバルセロナに譲り渡した。ケガ人は戻りつつあるが、得点力が落ちた「BBC」(ベンゼマ、ベイル、C・ロナウド)に批判が集中。とにかく結果がほしかった。

 この日も序盤は攻撃の形がなかなか作れず、前半20分に失点。そんな苦境を救ったのは、やはりC・ロナウドだった。5分後の同25分、MFクロースの左クロスを頭で合わせて同点。40分に失点したが、前半終了間際にDFコエントランのクロスをゴール前に走り込んで再びヘッドで追いついた。これでUEFA主催クラブ大会で78点目(欧州CL76点、スーパー杯2点)となり、歴代最多記録を更新した。

 C・ロナウドの活躍に刺激を受けたベンゼマも後半8分に勝ち越し点。この試合初めてリードを奪ったが、守備陣が踏ん張りきれない。4分後にミドルシュートで同点にされ、39分には勝ち越し点を奪われた。あと1点失えば敗退の危機だったが、アディショナルタイムのシャルケの猛攻を何とかしのいで最悪の事態だけは免れた。

 レアルがCLで4失点したのは2012―13シーズン準決勝第1戦でドルトムント(ドイツ)に1―4で敗れて以来2年ぶり。薄氷の8強入りとあって、地元紙の電子版も速報で「笑い者のマドリード、ギリギリで救われる」(スポルト紙)、「悲劇は防げたが、激怒は避けられなかった」(ムンド・デポルティボ紙)など辛らつな見出しを並べた。

 カルロ・アンチェロッティ監督(55)も憔悴した表情で会見に臨み「サポーターの行動は当然だ。プレーはひどいし、このままではそんなに遠く(決勝)まで行けない」とネガティブなコメントに終始した。完全に歯車が狂った「白い巨人」に光明は見えない。(スペイン・マドリード発)