【武田修宏の直言!!】J1FC東京の日本代表FW武藤嘉紀(22)がJ開幕のG大阪戦でアディショナルタイムにミドル弾を決めた。追い込まれた状況でチームを救う劇的なゴールにスター性を感じたね。カズことFW三浦知良(48=J2横浜FC)も土壇場や大舞台に強かった。彼も同じ雰囲気を持っているんじゃないかな。

 日本代表でも主力となり、今季はエースの自覚が芽生えたんだと思う。技術もレベルアップし、パフォーマンスに安定感が出ている。まだまだ伸びるよ。それに今季FC東京に加入した元日本代表FW前田遼一(33)は武藤が仕掛けやすいようなプレーをしてくれているから、かなりのゴールが期待できそうだ。

 さらにピッチ外の振る舞いもすばらしい。インタビュー対応でもまったく物おじせずに、はきはきと的確に答えている姿には好感を持った。若手選手の見本だね。昨年12月に東日本大震災復興の支援試合で監督を務めたときに初めて対面し好青年と感じたけど、大スターへの階段を上がり始めた。このまま活躍を続ければFC東京はV争いに絡むはずだし、Jリーグももっと盛り上がるのは間違いないね。

 あと付け加えたいのは優勝候補の浦和。公式戦で3連敗し、サポーターからブーイングを浴びたが、J開幕戦で湘南に勝利した試合は選手の意地を感じた。プロはグラウンドで結果を出すしかない。開幕戦で重圧をはねのけたので、今後はうまく進んでいくと思う。

 ☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。

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