なでしこ フランスに完敗で選手と監督に亀裂

2015年03月10日 16時00分

【ポルトガル・パルシャル9日(日本時間10日)発】なでしこが空中分解寸前だ。サッカー女子の国際親善大会「アルガルベカップ」1次リーグ最終戦で、C組のなでしこジャパンはフランスに1―3で逆転負け。決勝進出を逃し、選手から佐々木則夫監督(56)に対して戦術変更を要望する声が出ていることがわかった。だが指揮官はそれを受け入れず、選手側の問題を指摘。なでしこ最大の強みの「一枚岩」にほころびが見え始め、連覇を目指す6月のカナダW杯に暗雲が漂ってきた。なでしこジャパンは1勝2敗の勝ち点3でC組3位に終わり、11日の9、10位決定戦ではB組4位のアイスランドと対戦する。

 

 1―3というスコア以上に力の差を見せつけられた試合だった。前半43分にMF川澄奈穂美(29=INAC神戸)のゴールで先制したなでしこジャパンだったが、1試合通してシュートはこの1本だけ。合計17本のシュートを放ったフランスに終始圧倒され、後半8分にPKを与えて追いつかれると、マークミスやパスミスから一気に崩れた。

 

 ユニホームのチャンピオンバッジがくすんでしまうような内容に、主将のMF宮間あや(30=岡山湯郷)は「負けてしまって情けない。何も言葉はない」とがっくり。川澄も「先制点は取れたが後半に3失点し、もったいない試合だった」と唇をかんだ。

 

 2012年ロンドン五輪準決勝で2―1で破ったフランスとの立場は完全に逆転した。次々と勢いのある若手が台頭し、全員が欧州の強豪クラブでもまれるフランスに対し、世代交代が進まないなでしこ。あるなでしこOGは「選手が今のサッカーに飽きてしまっている。下の世代からの突き上げもない。はっきりいってマンネリ」と指摘する。

 

 そんななか、選手の一人は「今のやり方では厳しくなっているのに、戦術もシステムも4年前から変える気配がない。監督には『新しいことをやってみたい』という話はしている。でも何も変わらない」と直談判したことを明かした。

 

 佐々木監督の基本布陣は4―4―2。これを、絶対エースのFW大儀見優季(27=ボルフスブルク)を生かす4―2―3―1に変えるという意見だ。だが指揮官には戦術変更の意思がなく、むしろ「50分くらいになると運動量が落ちる。このサッカーはスタミナが必要。もう少し走り込まないと」と体調面の問題に言及。なでしこリーグが3月末に開幕すれば選手たちのコンディションが上がると楽観している。

 

 焦る選手たちに対し、楽観的な指揮官。宮間が「チーム一丸とならなければいけない」と繰り返しているのは、決して選手同士の問題だけではない。もはや優勝候補でなくなったなでしこがカナダW杯で勝てる保証はどこにもない。