【前園真聖 ゾノの焦点!】

 日本サッカー協会は次期日本代表監督候補者を絞り込み、前アルジェリア代表監督のバヒド・ハリルホジッチ氏(62)と本格交渉をスタートさせるようですが、実際に「適任」と言えるのでしょうか。

 例えば、日本代表がベスト8で敗退した1月のアジアカップでは若手の躍進がなかったことや選手層の薄さが露呈。特に連戦の戦い方に大きな影響を与えました。こうした現状の問題を解決するには、日本サッカーをよく知る指導者がふさわしいと考えています。

 なかでもC大阪を指揮していたレビー・クルピ氏(61)は日本人の特性を熟知し、若手育成にも実績があります。これまでも日本代表FW乾貴士(26=Eフランクフルト)、MF香川真司(25=ドルトムント)、FW柿谷曜一朗(25=バーゼル)、MF清武弘嗣(25=ハノーバー)、MF山口蛍(24=C大阪)、FW南野拓実(20=ザルツブルク)を抜てきしています。

 いずれも日本代表で活躍し、20代前半で海外進出を果たした実力者。しかも今後の日本代表で主力となる選手ばかりです。クルピ氏には協会側が求めている欧州サッカーの実績やW杯出場、代表の経験はないです。ただ、世界を見ても完璧な指導者はいません。クルピ氏は現在の日本代表に見合う十分な指揮官といえます。

 報道で出ているハリルホジッチ氏も十分な実績がありますが、日本代表を中心に考えるとなにか違和感も覚えます。協会側は6月のロシアW杯アジア2次予選を見据えて、まずは慎重な選考を行ってほしいですね。(元日本代表MF)