【武田修宏の直言!!】先週13日のドイツ1部リーグで、日本代表FW岡崎慎司(28)のマインツが2―4で同MF香川真司(25)のドルトムントに敗れた一戦は、本当に見応えがあった。

 改めて岡崎の素晴らしいパフォーマンスに感心した。動きだしの良さはもちろん、屈強なドイツ人を相手に体を張ってボールキープできるのは進化した証拠。日本の指導者は岡崎のプレー映像を子供に見せるべきだし、日本メディアも、もっと取り上げたほうがいいね。

 逆に香川は少し心配かな。動きは良くなっているけど、相手に対しての危険なプレーが少ない。彼の持ち味は敵陣に切り込むドリブル。もっと仕掛けたほうがいい。

 試合は激しい攻防の好ゲームだったが、同時に日本サッカーへの危機感を強く持った。香川と岡崎は世界トップレベルのリーグで、毎週のように厳しい試合に接して成長を続けている。一方、Jリーグ組が日々の試合でどこまでレベルアップを図れるのか。かなり疑問だね。

 特にロシアW杯までの3年間を考えれば、今後欧州組とJリーグ組のレベル差は大きく開いていくばかり。アジアカップで敗退し、日本代表の再強化が叫ばれているけど、まずは国内リーグ自体を進化させないと問題解決には至らない。サッカー界にとってはクラブ経営も大事。しかし、まずはJリーグの質を高めることにも目を向けるべきでしょう。

 ☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。

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