日本サッカー協会の大仁邦弥会長(70)は12日の理事会で、八百長問題に関連してアギーレ氏を日本代表監督から解任した一連の騒動について経緯を説明。さらに自らの責任を諮ったが“おとがめなし”の結論。誰にも処分は下されず、幹部3人の給与の自主返納という形での幕引きとなった。

 理事会では、身辺調査の不備、契約解除の判断とその対応について議論したものの、大仁会長によれば「『責任はない』との結論をいただいた」。その上で「ご迷惑をかけたのと(身辺調査で)チェックに不備があった」とし、自主的に給与50%を4か月、返上すると発表した。さらに来年3月までの任期についても全うする意向を明かした。

 給与の自主返納をするのは他に、アギーレ氏の選考を担当した原専務理事と霜田技術委員長の2人。それぞれ給与30%を4か月間返納することになった。

 また、大仁会長はアギーレ氏の解任を決断した3日に、霜田委員長から辞意を伝えられたが「最優先でやらないといけないのは新体制を整備することなので『やれ』と申し伝えた」と、続投を指示したという。

 代表監督が八百長疑惑で解任されるという、日本サッカー史に汚点として残る事態が起きたにもかかわらず、結果的には誰ひとり辞めることはなく、誰にも処分は下されない。給与を自主返納する幹部3人の役職も特に降格などはなく、そのまま維持されるという大甘裁定になった。

 一般社会ではあり得ないような、うやむやな幕引きに、批判の声が上がるのは必至。この体制で行われる次期代表監督選びにもファンの視線は鋭く注がれそうだ。