代表監督人事の頼みの綱は“保証人制度”

2015年02月14日 11時00分

“保証人”に適しているというザッケローニ氏

 日本サッカー協会は12日に都内のJFAハウスで理事会を開き、ハビエル・アギーレ氏(56)の日本代表監督更迭に伴う協会幹部の処分を議論した。一方で、注目の新監督人事に関しては議題に上らないまま。後任探しは混迷を深めているが、協会側には奥の手がある。サッカー界の超大物に推薦を依頼する“保証人制度”で、「あの人」にオススメの指揮官を聞けばいいというのだ。

 次期監督の選定作業は渡欧中の霜田正浩技術委員長(48)を中心に進められている。これまでに元ローマ監督のルチアーノ・スパレッティ氏(55)、元レアル・マドリード監督のベルント・シュスター氏(55)、前ポルトガル代表指揮官のパウロ・ベント氏(45)らが有力候補に浮上。一方で、前イタリア代表監督のチェザーレ・プランデッリ氏(57)らが「日本代表監督を辞退した」などと発言している。

 原博実専務理事(56)は「今のところは誰かと交渉というよりは情報を収集している段階。直接会う、会わないという状況とは聞いていない」と話し、候補者との本格交渉までたどり着いていないことを示唆。理事会に情報を上げる段階に至っておらず、事態は長期化の様相を呈している。

 時間がかかる理由は明白。今回の選考には八百長疑惑で解任したアギーレ氏の失敗を繰り返さないため“身体検査”の徹底が重要視されているからだ。

 技術委員会は候補の絞り込みと正確な調査を同時に行うという難しいかじ取りを求められるなか、苦境を打開するサプライズ案が浮上。

 日本協会とパイプのある大物にオススメ候補を推薦してもらおうというプランだ。

 技術委員会メンバーと親交のあるJクラブ関係者は「向こう(欧州)のことは向こうの人にしか分からない部分もある。それに協会はその気になれば、いろんなルートも持っている」と明かす。

 実際、代表監督選定にあたって“保証人制度”はこれまでも協会の奥の手になってきた。2006年にイビチャ・オシム氏(73)が就任した際には、当時ドイツサッカー連盟副会長を務めていた“皇帝”フランツ・ベッケンバウアー氏(69)から「素晴らしい監督。彼なら間違いない」と太鼓判を押された。当時の川淵三郎キャプテン(78)は、これが「最終決断の決め手になった」と語っている。

 02年日韓W杯で日本を率いたフィリップ・トルシエ氏(59)のケースでも、ミシェル・プラティニ氏(59=欧州サッカー連盟会長)やイングランドの名門アーセナルを率いるアーセン・ベンゲル監督(65)からの助言があった。豊富な知識や経験を併せ持つサッカー界の超VIPが新監督候補の身分や手腕を推薦してくれれば、これ以上ない「保証」になる…ということだ。

 では、今回は誰が“保証人”に適しているのか。前出の関係者は「ザッケローニさんに聞いてみてもいいんじゃないか」。アルベルト・ザッケローニ氏(61)はイタリアサッカー界の重鎮で、欧州各国の指揮官の手腕を熟知。欧州サッカー界を揺るがす、八百長疑惑やスキャンダルにも精通している。人柄の良さも日本代表監督を務めた昨年までの4年間で証明済み。元日本代表監督のよしみで、すぐにでも動いてくれるはずだという。

 協会側は使えるものは何でも使うという貪欲な姿勢だが…それだけ難航している証しとも言える。奥の手で現状打破なるか。