日本の女子サッカーにとっては、また新たなビッグタイトル獲得のチャンスとなりそうだ。国際サッカー連盟(FIFA)の女子特別委員会が10日に提案した女子のクラブW杯新設のニュースは大きな波紋を広げた。日本側の努力がようやく実を結ぶこととなり、女子サッカーのさらなる発展が期待されている。

 男子のクラブ世界一決定戦は毎年12月に「トヨタ・クラブW杯」として開催され、6大陸の王者などが出場。

 だが女子については、欧州、南米、日本のなでしこリーグのチームなどで争われる「国際女子クラブ選手権」(IWCC)が日本で実施されているものの、FIFAの公認大会ではない。自国リーグの日程を優先する欧州女子チャンピオンズリーグの優勝チームや米国女子プロサッカー(WPS)所属のチームが不参加となることもあって、IWCC優勝チームも真の世界一クラブとは言い切れない微妙な立ち位置だった。

 女子サッカーに理解を示す多くのスポンサーの支援でIWCCを立ち上げた日本側としては、一年でも早いFIFA公認大会への“昇格”を願っていた。それだけに、今回の動きにはなでしこリーグ関係者も「日本の熱意が伝わった」と大歓迎ムードだ。

 昨年のIWCCはサンジョゼ(ブラジル)がアーセナル(イングランド)を破って優勝。日本協会の大仁邦弥会長が「超ハイレベルの戦い」と称したほどの熱戦だった。INAC神戸がリヨン(フランス)に敗れた2012年の決勝はFIFA内でも大きな話題を呼んでおり、公認大会化は時間の問題と見られていた。

 17年からの開始を目指す女子クラブW杯。11年W杯を制したなでしこジャパンに続き、なでしこリーグ勢にとっては“もう一つの世界一”という夢が広がってきた。