【“疑惑の指揮官”電撃更迭の裏事情(3)】八百長疑惑により日本代表強化への影響を懸念され、監督解任となったハビエル・アギーレ氏(56)だが、その手腕にも大きな不満が渦巻いていた。

 最たる例がアジアカップ1次リーグ最終ヨルダン戦(1月20日)での“失策”だ。2連勝の日本はこの試合を勝つか引き分けで決勝トーナメント進出が決まる状況だったが、アギーレ氏は主力選手を休ませずにベスト布陣を組んだ。代表OBは「先々を考えれば少しでも主力を休ませる必要があった。決勝トーナメント以降は中2日が続くのだから」と指摘。

 続く準々決勝UAE戦(同23日)ではイレブンの疲労は残ったままで、決定機を外しまくり、敗れた。アギーレ氏は大会を勝ち抜くために必要な「選択肢の幅が広い指導者」(日本サッカー協会・原博実専務理事)だったが、“セオリー”を無視したうえで敗退してしまっては元も子もない。

 アギーレ氏は就任当初から無名の選手を招集したり、昨年10月のブラジル戦ではFW本田圭佑(28=ACミラン)ら主力を先発起用しなかったり、さらには結果が出ないとベテランの起用に踏み切ったりと、強化に一貫性がなかった。そんななか、2連覇を期待された大事な大会でも凡ミス。解任への“引き金”の一つになった面もあろう。

 八百長疑惑で解任されたアギーレ氏だが、ロシアW杯へ向けてあらゆる面で監督を続けることは不可能な状況だった。

 (終わり)