アギーレ解任 協会が急いだ意外な理由

2015年02月06日 11時00分

多くのスポンサーを抱える日本代表

【“疑惑の指揮官”電撃更迭の裏事情(1)】

 

 日本代表ハビエル・アギーレ監督(56)の解任劇が日本中に波紋を広げている。昨年9月に代表指揮官の八百長疑惑が浮上してから、日本サッカー協会はこの問題とどう向き合ってきたのか。本紙では緊急連載「“疑惑の指揮官”電撃更迭の裏事情」(全3回)をスタート。第1回は、協会側が契約解除を決断するまでの意外な理由に迫った。

 

 アギーレ監督の八百長疑惑について日本協会は2日夜、スペイン検察当局からの告発をバレンシア裁判所が正式に受理したことを確認。3日に大仁邦弥会長(70)が緊急会見を開き、指揮官の解任を発表した。

 

 大仁会長は今後、スペインで正式な捜査が行われるため、指揮官の動向が不透明になることを懸念し「W杯アジア予選にできるだけ影響が出ないようにリスクを排除する必要がある」と説明。「この結論を理解していただき、今後もご支援を願いたい」とも語った。

 

 あくまで日本代表が最大目標とする2018年ロシアW杯を最優先に考えた結果だという。とはいえ、就任からわずか半年で更迭するという異常事態。これまで進めてきた強化や推定年俸180万ユーロ(約2億4000万円)の指揮官を迎え入れた新体制を解体するとはあまりに大きな決断だ。この裏にはもちろん、別の理由もあった。

 

 すでに本紙でも伝えているが、一つは日本代表に年間50億円を超える資金を提供する各種スポンサーへの配慮だ。在京テレビ局で中継を担当するプロデューサーが「八百長疑惑を抱える監督では日本代表のさわやかなイメージにそぐわない」と話すように、サッカー界に懸念が広がっていた。

 

 特に協会側は、3月末で大手広告代理店と8年間、推定300億円超に及ぶ大型包括契約が満了を迎える。契約更新に向けて動くなかで「日本代表の顔」となる指揮官に八百長疑惑とは最悪の展開。イメージが良いわけがなく、代理店の新規スポンサー獲得などにも大きな障害になる。これも決断理由となった。

 

 さらには、協会幹部は以前から「様々な問題提起を受けている」と話しており、日の丸を背負って世界と戦う日本代表は各方面から指摘を受けることも多かった。かつては代表イレブンが試合前に行う「国歌斉唱」のあり方にも意見してきたという。

 

 疑惑とはいえ「グレー」なアギーレ監督の存在を放置しておけば各方面からの“攻撃”を受けかねない状況だった。前述したように、代理店との契約更新を控える時期。大騒動に発展すれば、さらなるイメージダウンに加えて大幅な収入減は必至だった。