イタリア1部リーグ・ACミランの日本代表FW本田圭佑(28)がかねて抱いてきた“野望”からさらに遠のいている。先発フル出場した1日(日本時間2日)のパルマ戦では慣れないポジションでのプレーにもかかわらず勝利に貢献したものの、アジアカップでの衝撃的なミスが影響を及ぼして「大役」を得られそうにない状況なのだ。

 パルマ戦での本田は、4―3―3の右FWではなく、4―4―2の右MFに入り、前半途中から左MFに。得点には絡むことはできなかったが、なじみが薄いポジションをソツなくこなし、リーグ戦6試合ぶりの勝利に貢献した。

 このプレーでフィリッポ・インザーギ監督(41)から「両サイドに適応できる」と賛辞を贈られた本田は「僕は(代表から)帰ってきたばかりなので(勝利は)やっとという感じはしない。ただ、帰ってきてからのチームの雰囲気は行く前と違ったし、そういう緊張感があったなかでの勝利だったんで、特に監督はホッとしているのではないかと思う」。

 イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」も「6」とまずまずの評価。代表からクラブに戻って1月27日のイタリア杯に続き2戦目。すぐに背番号10の貫禄を示したが、一方でなかなか得られないのがPKキッカーの座だ。

 日本代表ではPKキッカーを務めているものの、所属のミランではいまだ任されておらず、名門での大役ゲットを熱望してきた。

 ところが…PK戦にまでもつれ込んだ先月23日のアジアカップ準々決勝UAE戦では、1人目のキッカーとして登場していきなり“ホームラン”。このシーンを見た、ミラン関係者からは「本田は素晴らしい選手だが、PKに関して言うと、ああいうミスをしてしまったことだし、これからもチームメートに任せたほうがいいかもしれない」と“失格”の烙印を押されてしまった。

 アジアカップでは初戦のパレスチナ戦。続くイラク戦と2試合続けてPKで得点した実績があるのだが、ゴールの枠を大きく外した最後のUAE戦の失敗の印象があまりに強烈に残っている。それだけに、名門のキッカーの座は夢物語に終わりそうだ。