<前園真聖ゾノの焦点!>日本代表がアジアカップベスト8で敗退しました。4強に入れなかったのは最近では1996年のUAE大会以来で、日本サッカーの地盤沈下に危機感を持っています。アジア相手にゴールを奪えず勝てなかった事実は重いですし、6月から始まるロシアW杯1次予選でも同じような試合になりかねません。

 では、どうすればいいのか。すでにいろいろな意見が出ていますが、活性化のために世代交代は欠かせません。3年後のロシアW杯を見据えても、ブラジルW杯メンバーが中心ではチームとして伸びしろはないです。そこで思い切って半数の選手を若手に切り替えるくらいのことを考えるべきでしょう。

 たとえば将来のエース候補、G大阪のFW宇佐美貴史(22)は少ない運動量や守備が課題と言われ、アギーレジャパンには招集されていません。本来、代表は選手を育てる場所ではないのですが、宇佐美のように少し足りない部分がある選手も積極的に招集し、問題点を克服させれば戦力になるはずです。

 もともと完璧な選手などいません。ロシアW杯に向け可能性のある若手選手を、国際舞台で経験を積ませることも大事な強化と言えます。特に宇佐美は独自の世界観を持つストライカーですし、少しヤンチャな面もあります。チームに刺激を与える“劇薬”としても適任です。

 もちろんリスクもありますが、日本代表の目標はロシアW杯。結果が出なかった今、大胆な戦略の転換も必要でしょう。(元日本代表MF)