【オーストラリア・シドニー23日発】サッカー日本代表は、アジアカップ準々決勝のUAE戦でPK戦の末に敗れて連覇を逃した。MF香川真司(25=ドルトムント)は決定機を決めきれず、6人目のPKキッカーとしても痛恨の失敗で試合後は号泣。ショックを隠し切れない「背番号10」は立ち直ることができるのか。周囲からは“代表凍結”を勧める声が上がっている。

 ドルトムントでも日本代表でも不振が続いていた香川。捲土重来を期して臨んだアジアカップで待っていたのは残酷な結末だった。1次リーグ最終戦のヨルダン戦で約7か月ぶりの代表戦ゴールを挙げたものの、この日は全くいいところなし。同点で迎えた後半ロスタイムに決定機を外し、PK戦でも6人目のキッカーとして登場したが、左ポストに当てるミスキックで日本の連覇を消した。試合後は、うつむいたまま涙を流し続けた。

 チームを勝利に導くはずの「背番号10」は、昨年6月のブラジルW杯に続く惨敗の“戦犯”となってしまった。香川は「自分が外して負けた。時間は返ってこない。申し訳ない。とにかく悔いしか残っていない」と声を絞り出すのがやっとだった。

 香川が受けた精神的なショックは計り知れない。今後控える3月の親善試合チュニジア戦(27日、大分)やウズベキスタン戦(31日、東京)をはじめ、6月から始まるロシアW杯アジア1次予選への影響は大きい。だが“心の傷”が癒えていないうちに招集すれば、再び低調なパフォーマンスに終始する可能性も高い。

 それだけに、ある元日本代表選手は「しばらく(日本代表に)来ないほうがいいんじゃないか。代表のことも考えない。それが復活への近道だと思う」と代表活動の凍結を提案。まずは、残留争いを演じている今季のドルトムントで結果を出して自信を取り戻してから、代表に復帰する道がベストというわけだ。

 どちらかというと気持ちの切り替えが下手なタイプ。しかも、アギーレジャパンでは不慣れなポジションを任され、プレースタイルも見失った。代表のことをスパッと忘れて、どん底から這い上がることはできるのか。