【オーストラリア・ニューカッスル11日発】アジアカップの開幕とともに、ハビエル・アギーレ監督(56)と欧州メディアの闘いも始まった。


 1次リーグ初戦のパレスチナ戦前日に行われた公式会見には、前回優勝国の初戦ということで、日本以外のアジア諸国のメディアが集結。そこで異彩を放ったのが、今大会に出場国がいない欧州メディアだった。狙いはもちろん疑惑の指揮官。会見の最後に英国のメディアは八百長騒動の影響について質問したが、アギーレ監督は「3週間前にこの件についてはすでに答えているので、この場ではお答えしません」と突っぱねた。


 続けて別の英国メディアから「辞任は考えなかったか?」と質問されたが「私は選手時代を合わせ、W杯4大会、(北中米)ゴールド杯4大会、南米選手権3大会に参加しているが、いずれの大会でもサッカーの話しかしていない。この大会でもそうしたいと思う」と“黙秘”を強調。


 ひとまずは厳しい追及をやり過ごしたが、欧州メディアはこの話題を鎮火させるつもりはない。


 今回の八百長疑惑に対する注目は、対象試合があったスペインだけではなく、欧州全土に広がっている。


 そのなかで、欧州サッカー関係者は、アギーレ監督が“クロ”なのかということに限らず、アギーレ監督を雇った日本協会の方針にも関心を持っているという。英国メディアの一人は「日本協会が監督をどうサポートしているのかを知りたいが、協会側が答えてくれない。その部分こそが一番大事なことなのに」と話している。


 欧州は八百長問題に敏感。それだけに欧州のサッカー関係者たちは、国際サッカー連盟(FIFA)や欧州サッカー連盟(UEFA)でも日本協会の対応を含めた「アギーレ問題」を取り上げるべきだと考えている。今回の英国メディアの追及行動には、そうした議論を活発にさせようという狙いがある。


 全世界から注目を集めるアギーレ監督と日本協会。今回の日本代表は今までの大会以上に厳しい目で見られることになりそうだ。