香川困った…「攻めろ派」と「守れ派」の板ばさみ

2015年01月11日 16時00分

【オーストラリア・ニューカッスル10日発】背番号10の悩みは解消されるのか。アジアカップ1次リーグ初戦・パレスチナ戦(12日)に向けてアギーレジャパンは軽めの調整を行ったが、大会連覇のカギを握るMF香川真司(25=ドルトムント)がまさかの“板ばさみ”に遭っている。慣れないポジションに置かれている香川に対し「攻撃推進派」と「守備要求派」が主張を譲らない状況。しかも、その旗頭がチームの核となっている選手だけに、事態は複雑化している。

 

 パレスチナ戦を控え、この日は軽めの調整に終始した日本代表だったが、香川が練習を途中で切り上げたことで一瞬、緊張が走った。フットバレーでジャンピングボレーを放った際に着地でヒジを打撲。テーピングをしている左足の異常ではなかったのは幸いだが、帰り際には「僕が一番あわや、と思ったけど、こんなんでケガをしたらシャレにならない」と気を引き締めた。

 

 ドルトムントでの不振を引きずった形で日本代表に合流。今大会での活躍を浮上のきっかけにしたい気持ちは強く「(今大会で)自分の力を証明する。それはプロとして当たり前のこと。自分に求められている挑戦でもあるし、自分の良さを表現できるようにしたい」とネガティブな話題を排除しようとしている。

 

 だが、ピッチ内で香川を取り巻く状況は複雑だ。ハビエル・アギーレ監督(56)が採用する4―3―3システムのインサイドハーフに置かれる香川は慣れない戦術に苦戦中。守備力を求められるポジションだが、香川の長所である攻撃力を最大限に生かそうと考える主将のMF長谷部誠(30=Eフランクフルト)は「彼がゲームを作るところに参加してしまうと、前への迫力がなくなる。僕らが彼を押し出す部分が大事」と攻撃に専念させる環境を作ろうとしている。この考えには、同じ守備的MF遠藤保仁(34=G大阪)も同調した。

 

 これに対し、FW本田圭佑(28=ACミラン)は「打ち合いになると、あのへんのポジションは守備にかかる期待が大きくなる。それは真司にとっても我慢。あそこのポジションは守備力を要求されるし、フィジカルの強さも要求される」と守備の必要性を強調。香川の攻撃力には以前から高い信頼を置いているが、インサイドハーフでプレーするからには守備を怠ってはならないという主張だ。香川の役割について、チームの中心を担う2人の主張が微妙に異なる事態は、決して好ましいことではない。「このシステムは3トップを生かすというメリットがある。でも僕たちも生かされるような関係を作っていきたい」と香川は理想を口にするが、ピッチ上で表現できるかどうかは別問題。アジアの頂点に再び立てるかどうかは、香川の対応力にかかっている。