3冠GKから日本の守護神へ――。今季の国内タイトルを総ナメにしたG大阪で、長谷川健太監督(49)がMVPに指名するほどの活躍を見せたのがGK東口順昭(28)。鉄壁のセービングでチームを支え、安定感あるプレーが評価されて来年1月のアジアカップ(オーストラリア)で連覇を狙う日本代表にも選出された。黄金世代の中で遅咲きの苦労人GKが今、見据えるものとは…。

 ――2000年の鹿島以来となる3冠。昇格初年度のチームとしては初めての快挙だ

 東口:取っちゃったなという感じですね。ホンマにすごいことやったと思うし、落ち着いてからもうちょっと整理したいですね。

 ――タイトルがかかる大舞台が何度もあった

 東口:ガンバらしいサッカーを貫こうという思いがチームにあった。しっかりつなぐこと。それができてよかった。

 ――G大阪の黄金時代の幕開けだ

 東口:もっともっと続けていけるように、チームとしても来年チャンピオンという目で見られるので、一つずつしっかりやっていかないといけない。

 ――来季はアジアチャンピオンズリーグの舞台も待っている

 東口:初めてなので、どうなるか分からない。いろいろ感じながらやっていきたいですね。

 ――新潟時代の2011年8月、12年10月と2度も右膝前十字靱帯断裂と内側側副靱帯損傷で全治8か月という大ケガを負った。そんな苦しい時期を乗り越えてここまでたどり着いた

 東口:いろいろあったなと…。でもそういうことがあって今の自分があるし、糧になっている。その中でこういう成績を残せてよかったと思う。

 ――今季の31失点はリーグ2位タイの少なさで堅守が躍進の象徴に。長谷川監督もMVPに指名した

 東口:うれしいですね(笑い)。でも一人では守れないし、ホンマみんなのおかげだと思う。

 ――同世代はMF本田圭佑(28=ACミラン)やDF長友佑都(28=インテル)らそうそうたるメンバー。同じポジションにも日本代表GK西川周作(28=浦和)がいる

 東口:自分はまだまだ。周作のほうがタイトルも取っているし。日本一のGKに近づけたとは思うけど…。もっと力をつけて、一番を目指してやっていきたい。

 ――ハビエル・アギーレ監督(56)の下で日本代表にも選出された

 東口:行ってみて分かったことは、やっぱり試合に出ないと意味がない。そのためには何ができるかを考えている。練習からもっとアピールしていくことが必要だと思う。

 ――代表の正GK争いはシ烈になってきた。ずばりアピールポイントは 東口 もう、全部ですね(笑い)。

 ☆ひがしぐち・まさあき 1986年5月12日、大阪府高槻市生まれ。7歳からサッカーを始め、中学時代はG大阪ジュニアユースでプレーしていたが、ユースに昇格できずに洛南高から福井工大に進学(のちに新潟経営大に転入)。2009年に新潟に入団し、10年にJリーグデビューを果たした。11年3月に行われた東日本大震災復興支援チャリティー試合で初めて日本代表入り。後半途中からの出場だったが、Jリーグ選抜FW三浦知良の「カズダンス」に至ったゴールを許した。14年シーズンからG大阪に移籍。11、12月の月間MVPに選出された。184センチ、78キロ。O型。