スペイン検察当局から告発を受けた日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)は現在、自宅待機で事の推移を見守っている状態だ。秒読み段階に入ったアギーレジャパンの崩壊劇は、ピッチ外の活動にも大きな余波を及ぼしており、スポンサーやテレビ局など、関係者は前代未聞の事態に頭を抱えている。

 アギーレ監督は告発された事実は確認しているものの、協会関係者に「自分のところには(検察から)何の連絡も来ていない」と話していたという。

 八百長疑惑が大騒動に発展しているため、日本代表監督として取り組むピッチ外の活動も“自粛中”。Jリーグ関係者は「それは当然できないでしょう。これだけの騒ぎになっているんだから、協会側も当面はおとなしくさせるでしょう」と明かした。

 本来ならば、アジアカップに向けて、日本代表の各種スポンサーの応援キャンペーンなどへの協力や、イベント参加、年末を迎えてのあいさつ回りなどが予定されていたが、それらは中止となった。さらに大会に向けたプロモーション活動もストップ。今回の告発で、本業に関わる活動以外は封印されているという。

 当然、テレビなどの露出も控えざるを得ない状況だ。「(アジアカップを中継する)テレ朝も困っているんじゃないか。大会をあおれないし、今の状態でアギーレ監督のインタビューなども使えないから」(同関係者)というように、大会の盛り上げの点でも大きな痛手となっている。

 さらにJリーグの村井満チェマン(55)が16日のJリーグ理事会後の会見で、アギーレ監督の八百長疑惑問題について言及した。

「現時点では告発された状態。起訴されたというところまでいけば重大な問題になると思います。日本代表も代表チームそのものが子供たちの夢であり希望であるので、明確に問題であることが明らかになれば、JFA(日本サッカー協会)も毅然たる態度を取ると思います」

 日本協会の大仁会長は公の場での正式コメントを避け、原専務理事も「ノーコメント」を繰り返すなど、幹部は一様に口をつぐんだ。だが、JFA副会長を兼ねる村井チェアマンとすれば、Jリーグが全クラブに「八百長防止研修」を実施するなど八百長対策に力を入れているだけに、アギーレ問題をスルーするわけにはいかなかったのだろう。今後、疑惑が解明されるにつれ、さらに大きな余波がサッカー界を揺るがしそうだ。