【前園真聖 ゾノの焦点】アジアカップに臨む日本代表メンバー23人が発表になり、G大阪のFW宇佐美貴史(22)は選出されませんでした。アギーレジャパンでも大きな力になれると思っていましたし、何より一度は試してほしい選手だったので、非常に残念です。

 宇佐美は、かねて守備での貢献の低さや、90分間を戦うスタミナの不安が指摘されてきました。その辺りがアギーレ監督の選手選考に影響したのかもしれません。ですが、彼の持ち味である攻撃面の素晴らしさを生かし、引き出していくという考え方があってもよかったのではないでしょうか。

 今季の宇佐美はJリーグで結果を出し、G大阪の3冠獲得に大きく貢献しました。シュートもパスもドリブルもできるストライカーで、攻撃的なポジションならどこでもこなせます。個人で状況を打開できる能力を持つ選手なので、日本と対戦する国が守備を固めてくるアジア杯でこそ真価を発揮できるはずです。

 それに欧州でのプレー経験も豊富にあり、本田、香川ら代表の主力メンバーと、どう融合できるのかも楽しみでした。こればかりは実際にやってみないとわかりませんが、おそらく良いコンビネーションを築けたと思います。さらに宇佐美自身がトップ選手たちと長期間過ごすことで“大化け”する可能性にも期待していました。

 アジアカップ後は、6月に2018年ロシアW杯に向けアジア1次予選が始まります。アギーレ監督にはぜひテストしてほしい選手です。(元日本代表MF)