スペイン1部サラゴサ監督時代の八百長疑惑が浮上している日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)が4日、再来日し潔白を主張した。警察官に厳重ガードされながら成田空港を後にすると、その後、日本サッカー協会による聴取の場に出席した。

 事情聴取は都内で約2時間にわたって行われ、協会側は弁護士の三好豊法務委員長(46)ら事務方4人が出席。終了後に三好弁護士が都内のJFAハウスで会見を開き、聞き取り内容を報道陣に説明した。

 アギーレ監督からは今回の八百長疑惑に関して弁明があり「私としては全くそのようなことはしたことがない。プロのサッカー指導者として一切やっていない」と無実を主張。協会側も現時点では不正に関わっていないとの判断を下した。

 今回の問題に関して三好弁護士は、2010年にスペインの刑法が改正されて以降初めて適用されるケースになると指摘。286条に当たるもので、有罪の場合は量刑が「6月~4年になる。ただ、執行猶予という措置もある」と説明した。

 また、アギーレ監督は自らの顧問弁護士の説明として、仮に起訴された場合について「2月に一度、証言、供述をする必要が出てくる」と言及。その見解通りならば来年1月のアジアカップ(オーストラリア)の指揮に支障はないが、具体的な時期を想定しているということは、すでに起訴を視野に入れているとも受け取れる。

 そうした状況を考慮し、三好弁護士はひとまず「八百長をやったという資料や証拠があるわけではないので、アギーレさんの言葉を信じるしかない」との判断を下した。だが、今後も事態の推移に応じて聴取を再度行う方針で「協会としてもこれでおしまいということではなく、動きがあればきちんと対応していく」と強調した。