日本サッカー協会の大仁邦弥会長(70)は来年1月のアジアカップ(オーストラリア)に臨むアギーレジャパンに優勝を厳命した。

 同会長は「今回のアジア杯の目標は? それは優勝でしょう。代表チームには当然そこを目指してやってもらう」と断言。日本は1998年フランスW杯に初出場して以降、W杯出場のアジア枠4・5を意識し、アジア杯の目標を「ベスト4以上」としていた。大仁会長は「優勝目標は初めて? 前回(2011年カタール大会)も優勝しているんですから、今回も優勝を狙ってもらう」と初めて“V指令”を下した。

 ブラジルW杯に向けてはFW本田圭佑(28=ACミラン)やDF長友佑都(28=インテル)らが「優勝」をぶち上げた一方、協会側は「前回の南アフリカ大会のベスト16を上回るベスト8が目標」とするなど、ムリな設定をしてこなかった。それだけに日本代表に対して、異例の要求となった。

 こうした要請を出した背景には、ハビエル・アギーレ監督(55)への不信感も見え隠れする。就任後、いきなり若手5人を大抜てきするなど、大なたを振るったが、11月にはベテラン中心に回帰するなど、強化方針に一貫性はなかった。そこで指揮官にプレッシャーをかける意味でもあえて厳しい指令を突きつけたわけだ。

 一方で、アギーレ監督も「アジアカップでは優勝を狙う」と公言。ここまで6試合を戦い3勝1分け2敗。11月にはホンジュラス(14日)、オーストラリア(18日)に連勝し、態勢を整えたが、協会幹部から全幅の信頼を得るには、連覇を果たすしかないようだ。