ホンジュラスに6発圧勝も…アギーレ色はどこへやら

2014年11月15日 16時00分

「見たか!」と言わんばかりの表情のアギーレ監督だが・・・

 日本代表のハビエル・アギーレ監督(55)の首は“ザックの遺産”のおかげでつながった。キリンチャレンジカップ(14日、豊田スタジアム)で日本代表はホンジュラス代表に6―0で大勝。アギーレ監督は試合前の合宿をメキシコでの殿堂入り式典出席で離脱するなど指導力に疑問符がつけられていたが、MF遠藤保仁(34=G大阪)ら復帰組に救われた。指揮官の主体性のなさをベテラン選手の能力がカバーした形だ。

 

 新体制発進から4戦でわずか3得点しか挙げられなかったチームが、この日だけで6得点の大爆発。「久しぶりに日本のいいところが出た」と笑顔を見せた日本サッカー協会の大仁邦弥会長(70)を筆頭に、すべての関係者を安心させた結果だった。10月のブラジル戦を若手中心で挑んで0―4と大敗。私用優先で今合宿前半を離脱し、ガタ落ちしていたアギーレ監督の信頼はほんの少しだけ回復した。

 

 今回のホンジュラス戦、オーストラリア戦(18日、大阪・ヤンマースタジアム長居)の2試合で結果が出ず、来年1月のアジアカップ(オーストラリア)も敗退なら一気に進退問題が浮上――。そんな不穏な空気すら流れ始めていた。ホンジュラス戦に向けた練習指導を一切しなかったにもかかわらず、公式会見では「言い訳はしない」と開き直り。それだけに指揮官に対する“目”は試合前から厳しかった。

 

 だが、ふたを開けてみれば、ホンジュラスのコンディションが悪かったこともあって大勝。遠藤やMF長谷部誠(30=Eフランクフルト)、DF内田篤人(26=シャルケ)らブラジルW杯組の復帰がリズムを生み、好結果につながった。

 

 先発の11人中、FW武藤嘉紀(22=FC東京)を除く10人がブラジルで悔しい思いをし、後半から出場して2得点のFW乾貴士(26=Eフランクフルト)もザックジャパン経験者。DF酒井高徳(23=シュツットガルト)が「監督は『個の能力でアイデアを作ってほしい』と話していた。選手の才能から出てくるアイデアを大事にするので、むしろ(4―3―3の)戦術のほうが一つのオプションみたい」と証言したように、指揮官は“無責任”を貫いた。大仁会長でさえも「メンバーが揃ってくればああいう試合ができる」と監督の采配ではなく、選手の個を勝因に挙げたほどだ。

 

 就任前から期待された“アギーレ色”はどこへやら。大勝でファンや関係者は安心したかもしれないが、指揮官の力量に疑問符は残ったままだ。