アギーレが本田主将路線あっさり撤回した理由

2014年11月14日 11時00分

アギーレ監督(左)は“本田主将”をあっさり撤回

 日本代表のハビエル・アギーレ監督(55)が、未定だった主将にMF長谷部誠(30=Eフランクフルト)を指名した。メキシコでのサッカー殿堂入り式典から戻った13日の公式会見で明らかにしたが、ここまでゲームキャプテンを務めてきたFW本田圭佑(28=ACミラン)の主将就任路線をあまりにあっさりと撤回。その決断の裏にある理由とは――。

 

 

 あっけなく“元サヤ”に戻った。アギーレ監督は「キャプテンは長谷部です。経験は豊富だし重要な存在。チームを安定させる選手だ」と絶大な信頼を寄せ、MF遠藤保仁(34=G大阪)と本田を“副将”に指名した。


 ザックジャパン時代に続いて重責を任された長谷部は「あとの2人を見ても経験ある選手だし、思いをくみ取ってやっていきたい」と意欲を見せるが、この決定は唐突感が否めない。アギーレ体制下では本田がゲームキャプテンを務めており、来年1月のアジアカップ(オーストラリア)に向けて指揮官も正式に任命する方針だったからだ。


 長谷部の再登板へとカジを切ったのはなぜか。その裏には“反本田勢力”の存在が挙げられている。代表選手の一人は「そのまま(本田)でいくのかどうするのか、もうちょっと話し合わなきゃいけないということでしょうね…」。


 代表内には本田と一定の距離を置く選手もおり、代表格といわれるGK川島永嗣(31=スタンダール)に加え、今回DF内田篤人(26=シャルケ)も復帰。そんななかでアギーレ監督が合宿を留守にしたため、選手たちと議論を深める時間が取れなかった。アジア杯を前にひとまず一枚岩にするために、長谷部を選択したのだ。


 また、本田への負担を考慮したとの声もある。疲労からリーグ戦で調子を落としており、13日にもイタリアのガゼッタ・デロ・スポルト紙で「(ミランの)インザーギ監督が本田の代表でのプレー時間を懸念している」と報じられたばかり。精神的重圧がかかる主将就任は現状では得策でないというわけだ。


 さらに、アギーレ監督の主体性のなさも浮き彫りになっている。これまで若手のテストも行ってきたが、公式戦のアジア杯を目前にすると結局ザック体制下のベテランをかき集め、主将の人選までザック政権の“パクリ”。どうにも、行き当たりばったりだ。本田も合宿初日(10日)に正式な主将就任に初めて前向きなコメントを残していただけに、はしごを外された…と感じたとしてもおかしくないだろう。


 母国での“私用”を理由に、試合前のチームを離れてしまう指揮官に「主体性」を期待するほうが無理な話なのか…。いずれにせよ、主将をめぐるドタバタがチームにどんな影響をもたらすか不安は尽きない。