8日に行われたヤマザキナビスコ杯決勝は、G大阪が3―2と逆転で広島を破り、7年ぶり2度目の優勝を飾った。今季1冠目のタイトルを手にしたチームは、リーグ戦の逆転Vにも自信を見せている。

 G大阪の次の大一番は、リーグ戦で勝ち点5差をつけられている首位・浦和との直接対決(22日、埼玉)。逆転優勝のためには勝利が絶対条件だが、周囲は「G大阪不利」の下馬評が圧倒的だ。国際親善試合(14日ホンジュラス戦・豊田、18日オーストラリア戦・ヤンマー)に臨む日本代表に、ベテランのMF遠藤保仁(34)とMF今野泰幸(31)、そしてGK東口順昭(28)も招集され「GKの西川(周作=28)しか代表に呼ばれていない浦和が有利」(Jクラブ関係者)というのがその根拠の中心だ。

 代表活動期間中にフィールド選手を一人も抜かれない浦和は、通常通りの練習が可能。対するG大阪は大黒柱抜きでの浦和対策を余儀なくされる。しかもベテラン2人の“代表疲労”によるコンディション低下も懸念材料。だが長谷川健太監督(49)は「彼らなら代表でいい刺激を受けて、高いモチベーションを持って戻ってきてくれるはず。いまさらチームは変わりようないし、連係の部分では心配いらない」と浦和有利説を否定した。

 今季のG大阪は、浦和と酷似する3―6―1システムを採用する広島に負けなし(3勝1分け)。その浦和とは開幕戦で0―1で負けているが、当時はFW宇佐美貴史(22)をケガで欠き、FWパトリック(27)も加入前。開幕時より数段チーム力を上げている今のG大阪なら、浦和に勝ってリーグ優勝に望みをつなぐ可能性は十分にある。

 また天皇杯は26日の準決勝(味スタ)で清水と対戦し、勝てばJ2勢(千葉と山形の勝者)との決勝。今の勢いなら、J2からの昇格初年度初の3冠達成という偉業も決して夢物語ではない。