V王手の浦和 今季は結束力がひと味違う

2014年11月05日 16時00分

 J1浦和は3日の横浜M戦(日産ス)に1―0で勝ち、8年ぶりのリーグ優勝に王手をかけた。名門クラブは2007年のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)制覇から長らくタイトルから遠ざかっているが、今季はひと味違う。途中出場がもっぱらのルーキーの精神面にさえも気を配り、チームの結束力を強化。終盤の“急失速癖”克服へ動いているのだ。

 

 浦和はこの勝利でリーグ戦中断後に行われる2位G大阪との大一番(22日、埼玉)に勝てば、8年ぶりのリーグ優勝が決定する。名門クラブに久しぶりのタイトルが見えてきたが、今季はこれまでとは異なる“強さ”を身につけている。

 

 途中出場した新人のFW関根貴大(19)が後半34分に勝利を決めるゴールを挙げたのも、決して偶然ではない。U―19日本代表の関根は、先月のアジア選手権(ミャンマー)準々決勝で敗れて帰国。その際のショックと疲労は大きかった。

 

 肉体的な疲労は休養で回復したものの、4大会連続でU―20W杯出場を逃した責任は関根に重くのしかかり、激しく落ち込んだまま。そこで先輩チームメートが次々と励ました。今季ここまで先発出場はわずかに3回。試合に出るかどうかもわからないルーキーのために、チーム一丸でわざわざ精神面のケアに乗り出したのだ。特にサーフィンという共通の趣味があるDF槙野智章(27)が「優勝してオフも一緒にサーフィンしに行こう」と“ニンジン”をぶら下げたのが効果的だったという。

 

 まさにチームの“アシスト”によって生まれた決勝ゴール。今年3月23日の無観客試合(清水戦)でJデビューを飾ったルーキーは「体勢が難しかったけど、ノリでミートできました」と、すっかり元気になって喜びを爆発させた。今季の浦和は、関根をここ一番でよみがえらせたことからもわかるように、チームの団結力がより強化されている。

 

 戦術的にも抜かりない。ここ2シーズンは、優勝争いに絡みながら終盤の失速でV逸した苦い経験がある。今季も前節までの5試合で1勝2分け2敗とその気配を見せていたが、選手同士が声を掛け合い、試合終盤の守備意識を高めて手を打った。GK西川周作(28)は「みんな同じ方向を向いているのが強み」と手応えを口にする。

 

 あとはG大阪から勝利をもぎ取って歓喜の瞬間を迎えるだけ。名門復活は間近に迫っている。