今季は優勝候補にも挙げられながら、J1残留争いを繰り広げてしまっているC大阪。ここまでチームが崩壊してしまった原因に「2人の男」が挙げられている。

 あるJリーグ関係者は監督選びの失敗を指摘する。長年クラブに貢献してきたレビー・クルピ監督(61)に代わって招聘したランコ・ポポビッチ監督(47)について「選手に押しつけるような指導法で反感を買いやすいし、短気で選手を公然と批判するやり方も評判が悪い。特にセレッソのようなチームにはどうかなと思ったよ」。

 ポポビッチ監督はミーティングなどで選手を必要以上に叱責するばかりか、時には罵倒することもあった。会見など報道陣の前でもお構いなし。そのため、選手たちとの間に大きな溝ができた。主力のほとんどが若手で、橋渡し役をするベテランがいないC大阪では選手からの拒否反応が増すばかりだった。

 もう一人が、鳴り物入りで加入したウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(35)だ。

「あそこはユース上がりの選手たちが空気を作っていて自由な感じで良さが出るのに、フォルランのような大物がいると、どうしても萎縮する。特に曜一朗なんか、やりづらそうにしていましたよ」とFW柿谷曜一朗(24=バーゼル)と同世代のJリーガーは話す。

 世界的に有名な超大物が突然加入したことで、選手たちは良くも悪くも意識してしまう。それが顕著だったのが絶対的エースだった柿谷。開幕からリズムを崩し、W杯前の大不振につながった。

 ポポビッチ監督は6月に解任され、フォルランは体調不良も重なって最近出番が少ない。“補強”の失敗で低迷するケースは多々あるが、C大阪は「育成」というクラブの屋台骨まで揺るがす結果となってしまった。