日本代表のハビエル・アギーレ監督(55)に対する「無責任」の声が強まってきた。就任以来、周囲を納得させる結果を残せていないにもかかわらず、11月の代表合宿を一時不在とすることが決まった指揮官に批判が続出。弱腰な対応しかできない日本サッカー協会幹部にも厳しい意見が飛んでいる。

 大きな期待の中で8月に就任したアギーレ監督は、親善試合4試合で1勝1分け2敗。14日のブラジル戦では無抵抗で4失点惨敗を喫し、ファンを失望させた。

 それでも、指揮官はあくまで来年1月のアジアカップ(オーストラリア)に向けたメンバー選考を続けると主張。「あと2試合を見たうえで最終的に決めたい」と11月の親善試合2連戦(14日ホンジュラス戦=豊田、18日オーストラリア戦=ヤンマー)を最終テストとする意思を見せていた。だが、アギーレ監督がメキシコ企業が主催するサッカー殿堂の掲額式典(同11日)に出席することが決定。ホンジュラス戦前に最低でも4日間は合宿を空けることとなり、在京Jクラブ幹部は怒りを爆発させた。

「監督がいない中で合宿をやって、選手は何をアピールすればいいの? アギーレは試合だけでなく、それ以外の生活面も選考の材料としているんでしょ。次の合宿が初選出という選手はかわいそう。これまで選ばれた選手たちと比較される舞台にすら上がれない。だったら初選出という選手は作らないほうがいい。あまりにも無責任だよ」

 別のクラブの強化担当者は「次って内田も呼ばれるかもしれないんでしょ。でも最初に監督がいないんじゃ、彼も『やっぱりいいや』ってなるかも」と代表復帰の可能性があるDF内田篤人(26=シャルケ)の心中も察している。

 さらにある日本代表OBは「こんな行動を許す協会も悪い。高い金を払って雇っているのに、代表監督として何が一番大事な行事なのかもハッキリ言えない。試合当日までに戻ってこれればいいという問題じゃない」と管理体制も問題視。当面の目標はアジアカップの連覇とはいえ、準備段階でほころびが見えるだけに、アギーレ監督と日本協会の“逃げ道”は消えかかっている。