FW宇佐美貴史(22=G大阪)がアギーレジャパン入りできない理由が判明した。

 G大阪は22日の柏戦に0―1で敗れ、連勝が7でストップ。宇佐美も不発に終わり「このまま連勝が続くとは思っていなかったし、次からどれだけやれるかがカギ」と切り替えを強調したが、ライバルチームの選手からは致命的な“弱点”が指摘された。

 今季宇佐美と対戦したあるクラブの選手は「極端に言うと60分までしか動けないイメージなんですよ。終盤になると相手へのチェックとかも甘くなるし、それを他の選手がカバーするからチーム全体にしわ寄せがいくし穴もできる」

 今季の宇佐美は開幕前に左腓骨筋腱脱臼の重傷で出遅れたものの、5月6日の徳島戦で先発復帰すると、ゴールにアシストに獅子奮迅の大活躍。春先出遅れたチームを優勝争いするまでに押し上げた。技術やセンスは誰もが認める一級品。だが運動量が少なく“サボリ癖”があるのも宇佐美の特徴だ。

 今季の8得点で、最も遅い時間に取ったゴールは8月9日の大宮戦の後半6分。アシストを含めても後半35分以降に得点に絡んだことがなく、指摘通りの“前半型”だ。現在18試合連続先発出場中だが、8試合で途中交代を命じている長谷川健太監督(49)の采配にも裏づけはある。

 前出の選手が「そのへんを見ているんじゃないか」と話すように、アギーレ監督は90分間動ける選手を求めている。今の代表チームの攻撃的選手に必要な要素は、前線からの積極的な守備やオフザボールの動き。試合の中で“消える”時間が多い宇佐美の招集に踏み切れないのは、指揮官もそうしたデータを持っているからだ。宇佐美が再びサムライブルーのユニホームに袖を通すには「後半に働けない」というレッテルをはがすような結果を残すしかなさそうだ。