【ドイツ・ゲルゼンキルヘン発】サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)1次リーグ第3節は21日(日本時間22日)が行われ、DF内田篤人(26)が所属するG組のシャルケ(ドイツ)は、日本代表MF田中順也(27)のスポルティング(ポルトガル)に4―3で競り勝った。田中がベンチメンバーから外れたため“日本人対決”は実現しなかった。一方で、攻守に活躍した内田には2つの難題が浮上している。

 右膝蓋腱の負傷で出遅れていた内田は今季CL初先発。序盤から積極的な攻撃参加でチャンスを演出した。

 前半16分に先制を許したが、同33分にスポルティングDFマウリシオ(26)が退場し、数的優位に立つと、3得点で逆転し、リードを広げた。その後2点を奪われるも、後半48分にPKで勝ち越し。今季CL初勝利を飾った。

 1次リーグ突破に向け、グループ2位で前半戦を終えたシャルケの内田は現在2つの悩みを抱えている。

 1つは契約問題だ。地元紙によると、2015年夏で契約満了となるため、17年夏までの契約延長に向けて交渉が行われている。シャルケのホルスト・ヘルトSD(スポーツ・ディレクター)は「いい話し合いだったが、ニュースはない」と話し、難航を示唆した。

 残り契約期間が1年未満となった内田に対しては、かねて興味を示すアーセナルらイングランド勢、日本代表FW本田圭佑(28)が所属するACミラン(イタリア)らビッグクラブが獲得に向け虎視眈々。契約延長しなければ、来夏には移籍金なしで自由にクラブを選べるが、シャルケへの愛着もあって、最終決断には迷いもあるようだ。

 もう1つは日本代表への復帰問題。ブラジルW杯後“代表引退”を示唆した内田に対し、ハビエル・アギーレ監督(55)は11月にも招集したい意向という。日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長(47)は「内田と話はしている」と継続して話し合いを行っているが、いまだ結論は出ていない。

 いずれも今後のキャリアを左右する重要な問題。完全復活した内田は、果たしてどんな答えを出すのか。