テレビ局困惑の「エース本田露出規制」

2012年08月19日 12時00分

 日本代表MF本田圭佑(26=CSKAモスクワ)に思わぬ“NG規制”がかかっている。キリンチャレンジカップ(15日、札幌ドーム)で日本代表はベネズエラに1―1と引き分け。W杯アジア最終予選イラク戦(9月11日、埼玉)へ向け、不安を残す消化不良の試合となった。一方でエース本田についても、日本サッカー協会とテレビ各局の間で消化不良の露出問題が勃発しているという。いったい何が起きているのか――。


 何度もあった決定機を生かせず、痛恨のドロー。イラク戦へ向けても消化不良の試合となった。本田自身は積極的にプレー。後半途中からはザックジャパンで初となるワントップで起用されたが、ノーゴールと結果を出せず悔しさを隠し切れなかった。一方で本田をめぐる“消化不良”の問題はこれだけではない。

 某民放スポーツ局関係者が困惑気味に裏事情を明かした。「日本代表戦の番宣用のスポットCMなどの映像を製作する際、協会から『本田ばかりを使うな』と言われるんですよ。日本代表の試合を盛り上げるCMで人気も注目度も高い本田は外せないのですが…」。

 テレビ朝日は6月のブラジルW杯アジア最終予選3連戦で高視聴率を連発。オマーン戦の平均視聴率は31・1%、ヨルダン戦は31・6%、敵地で行われたオーストラリア戦は35・1%(いずれも関東地区、ビデオリサーチ社調べ)と驚異の全試合30%超えだった。

 W杯最終予選の放映権のない他局は日本代表の親善試合などを中継するが、アルベルト・ザッケローニ監督(59)の就任後は視聴率20%以上を叩き出す優良コンテンツ。当然、番宣にも力が入るうえに「マンUに移籍した香川も注目の選手ですが、やはり本田は“持っている”選手なんで…。テレ朝のW杯アジア最終予選で数字が良かったのも本田が活躍したからでしょう」(同関係者)。番組のアピールに大きな存在感を示すエースの“起用”は欠かせないのだ。

 ところが…。スポット用などの映像に本田のプレー映像が使えないわけではないが、他の選手と同じ扱いにしないと協会から“NG”が出るという。テレビ局側がこの規制を簡単に“消化”できるわけがない。「協会側は、本田だけが日本代表ではないという主張。可能な限り横一線と言われるので、正直、困りますね」(同関係者)

 協会側とすれば、本田ばかりにスポットが当たることで「日本代表」のチームとしての価値が下がることを懸念。また、本田=日本代表のイメージばかりが定着してしまうと、欧州組の本田が参加できない日本代表戦のチケットが売れなくなることも不安視しているのだ。

 実際に、元日本代表MF中田英寿氏が活躍した当時も、同氏の参戦可否によってチケットの売り上げが大きく左右されたという。

 そこでエースの“露出制限”に至ったようだが、本田は今後の最終予選でも大きな注目を集める唯一無二の存在。特別扱いの禁止には、テレビ各局も悩みを深めている。