アジア大会サッカー女子準決勝(29日)でなでしこジャパンはベトナムに3―0で勝ち、決勝進出を決めた。10月1日に連覇をかけて北朝鮮と対戦する。


 世界ランキング3位のなでしこは同34位と格下のベトナム相手に序盤からボールを支配し続け、前半24分にペナルティーエリア内のこぼれ球をMF阪口夢穂(26=日テレ)が冷静に決めて先制。後半にはDF長船加奈(24=仙台)とFW菅沢優衣香(23=千葉)が追加点を挙げて、順当に決勝へ駒を進めた。


 なでしこジャパンを指揮して通算100試合目となった佐々木則夫監督(56)は決勝に向けて「自分たちのサッカーがどれだけできるか。それに尽きる」と表情を緩めることなく話した。ここまでの5試合は、あくまで“助走期間”。2011年のドイツW杯で頂点に立った、なでしこジャパンにとって次こそが本番だ。


 決勝の相手となる世界ランク11位の北朝鮮は11年W杯でのドーピング違反で、日本が初優勝した今年5月のアジアカップ(ベトナム)は参加禁止処分を受けていた。それだけに、今回こそが事実上のアジア最強決定戦といっていい。戦力的に未知の面も多く、難敵中の難敵だ。


 それでも佐々木監督は「タイトルのかかった試合を戦う中で、若い選手がたくましくなった」と手応えをつかんだ。この日途中出場のMF猶本光(20=浦和)や、先発したFW増矢理花(19=INAC神戸)、DF羽座妃粋(18=日体大)の初代表組も戦力としてメドが立った。W杯優勝メンバーのMF宮間あや(29=岡山湯郷)やMF川澄奈穂美(29=INAC神戸)との連係も向上してきただけに、アジア大会連覇で来年6月のカナダW杯をいい形で迎えたいところだ。