なでしこ沢“総スカン”寸前だった

2012年08月17日 12時00分

【ロンドン五輪熱闘の舞台裏(1)】

 史上最多となる38個のメダルを獲得するなど、日本勢が躍進し、多くのドラマが生まれたロンドン五輪が12日幕を閉じた。その舞台裏ではいったい何が起きていたのか。今大会で最も注目を集めたサッカー女子のなでしこジャパン。大黒柱のMF沢穂希(33=INAC神戸)が“総スカンの危機”だったという。いったい何が? その内幕に迫った。

 15歳で日本代表デビューを果たした大黒柱の沢は、足掛け19年目でついに五輪のメダルを手に入れた。「代表に長く関わってきた私としては、この銀メダルは重みがある」と万感の思いを語っていたが、実は大会前から沢の周辺には不穏な空気が流れていた。

 昨年12月、都内で日本サッカー協会主催の「ドイツ女子W杯優勝祝賀会」が開催された。各方面の関係者を招待した華々しい席で、沢は「こうした結果を得られたのも、今まで女子サッカーの歴史を築いてきた先輩たちのおかげです」となでしこOGたちへの感謝の言葉を述べた。

 その一方で、他の代表メンバーがお世話になったなでしこOGたちへのあいさつ回りを行っている中、沢はテレビ局関係者やサッカー界以外のゲストたちとの交流に没頭。結局、約1時間半の祝賀会で沢がOGたちの元へあいさつに訪れることはなかった。

 沢から“無視”された形のあるOGは「最後まであいさつなんかされなかったもんね。スピーチで言っていることとやっていることが違うじゃない」と怒り爆発。また別のOGも「結局、あの子は今の自分が目立っていればいいだけ。これで五輪がダメだったら大変なことになるわよ」と物騒な予告をしていた。

 身内ともいえるOGたちから“総スカン”の危機にあった沢。五輪前から競技以外での露出が目立ったことや、協会のイベントにも協力的ではないこともあって「少し浮わついているのでは」(協会幹部)と指摘されたこともあった。それだけにロンドン五輪で結果が出なければ、各方面から猛批判を浴びることは避けられない状況だった。

 そんな沢は五輪イヤーに入って、ケガや病気もあって、状態が不安視されている中、本大会では抜群の存在感を見せるなど、なでしこジャパンの銀メダル獲得に貢献。OGたちの不穏なムードも吹き飛ばすなど、周囲の雑音を完全にシャットアウトした。