日本代表アギーレ監督がJリーガーのスペイン移籍を猛プッシュする。

 欧州事情に詳しいJクラブ関係者は「アギーレ監督は長い間スペインで指揮を執ってきたし、ネットワークはすごいものがある。スペインでは日本人選手の評価は高くないけど、彼が推薦すればクラブ側も興味を示す可能性は高くなる。日本代表を強くするためと考えたら、積極的に動くのでは」と指摘した。

 メキシコ人の新指揮官は、スペインリーグの強豪アトレチコ・マドリードをはじめ4クラブを指揮し、10年以上も戦ってきた。その間に独自の人脈を構築している。しかも、長年の指導経験から、選手強化には欧州の舞台でもまれる必要性を実感しており、今後、日本代表を強化するため、スペインに選手を送り込もうと考えるのは自然な流れだろう。

 例えば、イタリア人のアルベルト・ザッケローニ前監督(61)は、自らが見込んだFW本田圭佑(28=ACミラン)の獲得を古巣ACミランのガリアーニ副会長に進言したり、FW香川真司(25=ドルトムント)の去就が揺れた際にはイタリアのクラブへ売り込んだこともあった。

 これまでスペインリーグには元日本代表MF中村俊輔(36=横浜M)ら多くの日本人選手が挑戦したが、成功を収めた選手は皆無。今季から1部に昇格したコルドバにFWハーフナー・マイク(27)が入団したものの、日本人に興味を持つクラブは少ない。

 それでも「非常に良い選手が揃っている」と日本人を高く評価するアギーレ監督がスペインのクラブへ直々に働きかければ一気に移籍が成立する可能性もある。FW武藤嘉紀(22=FC東京)やMF柴崎岳(22=鹿島)ら期待の“アギーレ・チルドレン”が世界最強リーグに挑戦する日はそう遠くないかもしれない。