なでしこリーグの千葉は12日、所属選手に対するセクハラ行為があったとして上村崇士総監督(40)の解任を発表した。


 千葉市内で会見を行った島田亮社長(47)は「重大なセクシュアルハラスメント行為が認定された」として同氏との契約を解除。「被害を受けた選手や関係者におわびいたします」と謝罪した。


 上村氏は今年に入り飲酒した状態で被害選手を個別で複数回呼び出すなど、セクハラ行為に及んだ。8月中旬に選手から被害申告があったことを受けてクラブ側がヒアリングを実施し、その後に社外の弁護士に調査を依頼。その結果、セクハラ行為が認定されたため、12日付で解任を決定した。被害選手の名前や上村氏の認否は公表されなかった。被害届の提出については今後、本人が判断するという。


 ただ、かなり悪質な行為があったとみられ、指導者としての立場を利用した愚行は言語道断。前代未聞の醜聞を起こした上村氏とはどのような人物なのか。


 プロ生活をスタートさせた横浜フリューゲルス時代に同僚だった元選手は「若いころは将来を嘱望されていた選手で、先輩とのコミュニケーションもしっかりしていた」。2002年にジェフ市原(現千葉)で引退するまで6クラブを渡り歩き、選手として目立った活躍はできなかったが、社交的な性格で周囲に慕われていたという。


 だがそこには“裏”の顔もあったようで、出身の長崎・国見高OBからは「同じ世代の人で『あいつならやりかねない』と言う人もいる。突然キレることもある性格みたい」との声も。


 上村氏は昨季限りで千葉の監督を退任したが、理由は選手への過剰な接触と言われている。総監督の地位にありながら、周囲では“再犯”が危険視されていたのだ。


 昨年、柔道から発覚した指導者によるアスリートへのパワハラ、セクハラ問題。一向に収まる気配がないだけに、スポーツ界全体での厳格な取り組みが必要だ。