日本代表FW本田圭佑(28=ACミラン)が“アギーレジャパン芸人”として再出発?本田はイタリアから帰国し、札幌市内で行われている代表合宿に合流。ハビエル・アギーレ新監督(55)とも青空会談するなど終始和やかなムードで新チームでのスタートを切ったが、その胸中には驚きの決意を秘めている。かつて封印した“芸風”を解禁し、ブラジルW杯で失った求心力を再び取り戻すつもりだ。

 合流した本田は、アギーレジャパンの初陣となるウルグアイ戦(5日、札幌)に向けて「違う自分というのを見せていかないといけない。変わっていく姿を見せていければなと思う」と意気込んだ。それはピッチ上に限ったことではない。本田と親しい関係者は、こう話す。

「W杯の後、圭佑は『初心に帰る』とか『仲間をもり立てながらやっていく』という話をやたらしていた。何かを変えなきゃいけないという思いが強いのでは」

 ブラジルW杯までの4年間は、常に「オレ様エース」として中心に立って同僚を激しく叱咤、鼓舞してチームをけん引。初めて代表に入る選手は揃って「本田さんとは、なかなか話せない」とこぼすほどのコワモテだった。その結果、ブラジルW杯ではチームが窮地に陥ると孤立して、一気に求心力を失った。そうした反省からW杯敗退後には「一から物差しづくりをする」と語ったが、その第一歩がキャラ改革。もともとは根っからの関西人のノリで率先して笑いを取る性格だけに、素の自分に立ち返り「宴会部長」になる覚悟だ。

 しかも、エースの“芸風”はというと…。「あいつはイジられキャラ。どんどん前に出て何かおもろいことを言おうとするけど、それが全然おもろなくてスベってばかり。でもそれで、みんな『しゃあないやつやなあ』と親しみが湧く。スベリ芸みたいなもんですよ」(G大阪ジュニアユース時代の同級生、與貴行氏)。お笑いコンビ「ますだおかだ」の岡田圭右(45)や狩野英孝(32)ばりの「スベリ芸」で笑いを取るという。

 一度封印した“マッチョショー”も持ちネタの一つ。かつては、自慢の黒光りした筋肉美をボディービルダーばりにポージングしながら、同僚たちに見せびらかして盛り上げる一発芸を代表チームでも披露。それを復活させるのもアリだ。ちょうど初選出組にはFW武藤嘉紀(22=FC東京)やFW皆川佑介(22=広島)ら筋肉自慢が粒揃い。宿舎で新旧マッチョ対決ショーが催される可能性もあるだろう。

 早速、新顔の選手やスタッフたちに積極的に話しかけ「これから時間があるので、じっくりコミュニケーションを取っていければ」とムードメーカー役を買って出た。さすがに「ワオ!」はやらないだろうが、ラテン系指揮官に歩を合わせて本来の明るさを前面に押し出す。