大波乱の天皇杯…代表関係者は意外な反応

2014年08月22日 16時00分

 サッカーの天皇杯全日本選手権は20日に3回戦15試合が行われ、前回優勝の横浜M、今季J1で首位の浦和、2位の川崎がいずれも格下のJ2勢に敗れて姿を消す大波乱が起こった。過密日程、格上チームの主力が欠場という要素があったとはいえ、強豪の相次ぐ敗退にJリーグ関係者はため息交じり。一方で、日本協会関係者からは意外な反応が飛び出した。

 

 ジャイアントキリング(大番狂わせ)が魅力のトーナメント戦とはいえ、真夏の天皇杯は荒れに荒れた。3回戦で昨季の優勝チームと試合開催時点でJ1の首位、2位のチームが揃って敗れるのは、Jリーグが2部制になった1999年以降初めて。ここまでJ1で最少失点(14点)で首位の浦和はJ2で18位の群馬相手に先制しながら、後半の失点で逆転負け。2位の川崎は同17位の愛媛に0―1。昨季Vの横浜Mも同4位の北九州に延長戦の末、2―3で敗れて姿を消した。

 

 リーグ戦真っただ中の週中に行われた一戦ということで、J1勢は各チームともメンバーを大幅に変更していた。それだけにあるチームの選手からは「こういうことだってあり得る。だからそんなに驚くことでもない」と冷静な意見も聞かれたが、Jリーグ幹部は真っ青。「いくらメンバーを落としたといっても、J1の上位にふさわしい結果、内容を見せないと。情けない。格下でも勝てるというのもサッカーの魅力だけど、強いチームが勝っていかないと大会が盛り上がらない」と嘆き節だ。

 

 だが、日本代表の関係者はこの結果を悲観していない。「負けたチームには申し訳ないけど、これで負けたチームの選手はリーグ戦が終われば休める。アジアカップに向けては悪い話じゃない」

 

 今回の天皇杯は、来年1月9日にアジアカップ(オーストラリア)が開催されることを考慮し、大会日程を前倒し。元日開催が恒例だった決勝も12月13日に変更された。カタールで行われた前回(2011年1月)のアジアカップで、天皇杯8強進出チームの選手がほぼ無休のまま出場を強いられたため、その教訓が生かされた。

 

 今回の日程変更だけでも日本代表にとってはありがたいが、有力チームの敗退はさらにアジアカップ連覇に向けて追い風となる。J1最終節は12月6日。天皇杯がない代表選手はリーグ戦終了後に最低でも2週間は休むことができ、万全の体調で本番を迎えられる。今回敗退したチームで新生日本代表のメンバーに選ばれそうな横浜MのFW斎藤学(24)や浦和MF柏木陽介(26)、GK西川周作(28)、川崎FW小林悠(26)、FW大久保嘉人(32)らは過密日程を避けられた形だ。

 

 連覇がかかる今度のアジアカップはハビエル・アギーレ監督(55)にとって最初の公式大会。選手のコンディションが結果を左右するだけに、今回の大波乱がどういう影響をもたらすのか。