マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)は日本代表FW香川真司(25)をなぜボランチで起用するのか。

 香川は23日の親善試合LAギャラクシー戦に続き、26日のギネス・インターナショナル・チャンピオンズカップのローマ戦でも守備的MFのポジションに入った。見せ場をつくれないまま終わり「パフォーマンス自体が納得いくものではなかった」と肩を落としたが、香川の最大の長所はゴール前で抜け出すスピードやドリブル。ボランチは能力を最大限に発揮できる位置とは言いがたい。にもかかわらず、ルイス・ファンハール監督(62)がこだわるのにはウラがある。

「監督は香川の市場価値を少しでも高くしようとしているのではないか。W杯で評価はガタ落ちして、良いオファーはないと聞く。そういう中で違うポジションでも使えるというところを見せて、アピールしようと考えてもおかしくない」(欧州事情に詳しい関係者)

 昨季のマンUで冷や飯を食わされた香川はW杯で名誉挽回を狙ったが、大不振でさらに評価はガタ落ち。完全移籍にしろレンタルにしろ、今のままではクラブ、本人ともにマイナスになる。そこで、新境地を開拓させてアピール材料を増やそうというわけだ。しかも、「ギネス――」は多くの強豪クラブが参加し注目される大会。試合後に名将ファンハール監督が「香川は良いプレーを見せた。良いパスを出していた」と、ベタ褒めしたのも他クラブへの“宣伝”とあれば合点がいく。とはいえ、ポジションがどこでも結果を出さない限り、良いオファーは来ないのだが…。