サッカーW杯ブラジル大会で大惨敗を喫したブラジル代表の新チーム初戦(9月5日=日本時間6日、米マイアミ)の相手がコロンビアに決まった。ブラジルW杯準々決勝でブラジル代表のエースFWネイマール(22=バルセロナ)がコロンビアDFフアン・スニガ(28=ナポリ)の飛びヒザ蹴りで骨折させられた因縁があるだけに、2人の“手打ち”は実現するのか。

 ブラジルサッカー連盟(CBF)は22日、W杯で4位に終わって辞任したルイスフェリペ・スコラリ前監督(65)の後任にドゥンガ新監督(50)の就任を発表。2018年W杯ロシア大会に向けて再起を図ることとなったが、新チームにはコロンビア戦に加え、エクアドル戦(9月9日、米ニュージャージー)という2試合の出直しマッチを用意した。

 コロンビアとはW杯準々決勝で対戦し、ブラジルが2―1で勝利。ともに背番号10をつけ、今季からはスペインリーグでも対決が実現するネイマールとコロンビアMFハメス・ロドリゲス(23=レアル・マドリード)との「ライバル対決第2章」は楽しみなところだが、それ以上に注目なのはネイマールとスニガの顔合わせだ。

 試合終了間際の後半43分、ネイマールは背後からスニガの右飛びヒザ蹴りを受けて腰椎を骨折。全治4週間の重傷で、戦線離脱となった。故意ではなかったというスニガはネイマールに電話で謝罪し、ネイマールも「何とも思っていない。恨んでもいない」と会見で語ったが、ピッチ外のスニガ批判はヒートアップするばかり。ブラジルのマフィアが報復声明を発表するなど、今もスニガは身の危険にさらされている。

 CBFはコロンビアとの親善試合についてはW杯前から内定していたとしているが、一部ではスニガとネイマールの騒動の収束を図るために早期の再戦を決めたという話も出ている。ネイマールは現在、スペインリーグの開幕戦(8月23日)に間に合わせるため、懸命のリハビリを続けている。順調に回復すればドゥンガ体制での初戦にも間に合うもようだ。

 W杯後初めてピッチでの顔合わせとなる2人は、一体どんなリアクションを見せるのか。スニガ憎しの思いを強めるブラジル国民の感情は収まるのか。新チームの船出とともに、2人の因縁が清算されるかが注目される。