日本サッカー協会は原博実専務理事(55=技術委員長兼務)が中心となり、スペインのエージェント会社を通じて新監督との交渉を行っている。だが、協会が次期監督候補に一本化したメキシコ出身の指導者ハビエル・アギーレ氏(55)とは、金銭面を含めた詰めの部分で最終合意に達していない模様。連日のように原専務理事は「進展はない」「時間が必要」と繰り返し、正式決定まで長期化の様相を呈してきている。

 この現状に眉をひそめているのがJリーグだ。日本代表選手を輩出してきたクラブの指導者は「新しい代表監督がどのタイミングで就任するかで、9月の試合までに選手を見られる試合数も変わってくる。早く決まれば7~8試合見られるチャンスがあったけどね…」と指摘する。

 W杯の中断期間が終わり、19日から本格的にJ1が再開。新監督が決まれば、新生日本代表がスタートする9月の親善試合(5日・札幌、9日・横浜)に向けた選手選考の視察もそれだけ多くできる。何よりJクラブには、欧州組を偏重したザッケローニ前監督の選考方法への不信感が残っている。アギーレ氏は若手選手の積極的な起用で知られていることからも、早期にJリーグから新戦力を発掘してほしいというわけだ。

 もちろん新監督人事が長引けば「今までの(欧州組中心の)メンバーが中心になる」(同)という懸念もある。Jクラブからも尻を叩かれ協会は早期決着を図れるのか。