“永井欠場”は陽動作戦?

2012年08月07日 12時00分

【英国・ロンドン発】ロンドン五輪サッカー男子の日本は準決勝メキシコ戦(7日=日本時間8日)に挑む。いよいよメダル獲得への最終局面を迎える中、準々決勝で負傷したエースFW永井謙佑(23=名古屋)の出場が「厳しい見通し」であるという。ところが、イレブンは関塚隆監督(51)による陽動作戦という見方を示した。

 ベスト4を勝ち取った男子イレブンは5日(日本時間6日)、マンチェスターからロンドン入り。準決勝、決勝の会場となる聖地ウェンブリー・スタジアムを視察した。44年ぶりのメダルに王手をかけたイレブンはリラックスムードだったが、気になるのはエースの状態だ。

 エジプト戦で先制弾を決めた永井は、その直後にバックチャージを受け、左大腿部を打撲して途中交代。永井は「軽症だと思う」と笑顔で話したが、関塚監督は会見で「(負傷後に)一度ピッチに戻ってやはりできないという面で、今日になっても厳しい状況です」と険しい表情を見せた。

 快速エースが欠場となれば日本にとっては窮地といえるが、イレブンは涼しい顔。「情報戦は始まってますよ。関さん(関塚監督)が勝負に出ているというのは感じ取っている。宿舎でも謙佑は明るかったし、全く問題ないように見える」と明かし、まさかの陽動作戦である可能性を示唆したのだ。

 関塚監督は負傷を含め、選手の体調に関する情報には敏感。五輪アジア予選でも徹底して情報を統制し、いつも「トップシークレット」だった。そんな指揮官が会見の前にも広報を通じ「永井? 厳しそうだなあ、今の感じだと」とのコメントを発表するなど、異例の情報開示をした。

 しかも今回は日本攻撃陣の要である永井に関する情報。メキシコも当然ながら、永井対策を検討しているはず。そんな矢先に“欠場”情報が発信されれば、戸惑うのは必至だ。そこでイレブンも関塚監督が「情報戦を仕掛けている」という認識でいるわけだ。関塚監督は「自分たちの持っているものを全て出して歴史を作りたい」と意欲を語ったが、サッカー界では珍しくない陽動作戦は果たしてメダル取りへの切り札となるか。